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ビートたけしの結婚観と不倫 不思議な「妻との関係」を読み解く

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ビートたけし

『ビートたけしのオンナ論』

 芸能界の大物であるビートたけし(71)が、20183月末に所属事務所の「オフィス北野」を退社、独立することが波紋を呼んでいる。4月からたけしは新会社「T.Nゴン」を拠点にして活動予定だが、この会社の共同経営者である女性Aさんは、たけしの“愛人”として4年前から周知されている人物だからだ。

 20147月に「週刊文春」(文藝春秋)が“本気の不倫”と報じた、たけしと18歳年下のAさんとの関係。翌年、「女性自身」(光文社)も、ますます本気で本妻との離婚も検討中と報じている。Aさんについては「歌手の伍代夏子に似た、妖艶な美女」「年齢よりもかなり若く見える美女」「エルメスのバーキンがよく似合う」などと各週刊誌やスポーツ紙が伝えた。

 しかしビートたけしの近著『ビートたけしのオンナ論』を紐解くと、“本気の不倫”“離婚して愛人と最期を”という純愛説に、疑問がわいてくる。ビートたけしの結婚観、そして不倫観は、そのような一面的な見方で解釈不可能だからだ。

 まずたけしは、芸能人や政治家の不倫が大きく報じられ「ゲス不倫」と騒がれる流行に「耳を疑った」といい、「(不倫は)酷評されるほど悪いことか?」と疑義を呈する。たけしの考えでは、「結婚なんて制度は、権力者が庶民を縛るためにつくったもん」「夫婦という対、ペアをつくることによって世の中を安定させるという、権力者の絶対的な作戦以外に考えられないよ」。ゆえにたけしは結婚という形にこだわらずにきた。書類上は結婚し子も為したが、(ギャグかはさておき)入籍から40年のうち家族の住む自宅へ帰ったのは「10日か、20日ぐらい」だという。これもたけしに言わせれば、「自宅に帰らないんじゃなくて、要は居心地のいいほうに帰っているんだ。それがたまたまオネーチャンの家ってだけでね」。

 たけしにとって“オンナ”つまり女性の基準は、すべて実母(おふくろ)が原点にある。「結局、彼女だろうと、いまのオネーチャンたちだろうと、オイラにとってはみんな母親と同じなんだ。世話を焼いてくれればそれでいい」とたけしは悪びれない。付き合う女に対しては「(うちのおふくろのように)オイラの世話をしろ」ということを常に求めてきた。すさまじい世話焼きだったというたけしの母・さきさんは、空腹を訴える前から先読みして食べ物を出し、「『お茶くれ』って言う前に、もう出てるぐらい筋金入りの世話焼きだった」そうだ。たけしは大人になってからも、「家にいてもなにもしない、動かない」。「だから、オトコとしては本当にひどいヤツなんじゃないかな、オイラは」と自己を評している。

 そんなたけしの価値観を理解する女性だけが、長く愛人の地位についている。“オネーチャン”のいる家に帰れば、望みどおりに世話を焼いてもらえる。「最近なんか、朝起きりゃ、寝たまんまパンツを履かせてくれて『はい、いってらっしゃい』なんて感じになるんだから」。居心地よいように身の回りの世話をしてもらえるのは、愛情だけではなくマネーの力が大きいことをたけし自身、わかっている。たけしは「普通以上のカネを払っているから」世話してもらっている、とドライに綴るのだ。

 一方で妻は「大阪のいいところの家のお嬢さんだから」男の世話を焼くことなどなく、家をたけしにとって居場所のいい空間にはしてくれないという。幹子夫人はもともと漫才師であり、1981年にたけしとの長男を、82年に長女を出産している。正式な入籍は83年だ。では、なぜたけしは、居心地のよい相手を「妻」にせず、40年以上も法律上の夫婦を継続しているのか。たとえば「財布を握られているから」という説はマスコミ共通見解だ。たけしの収入を管理するのは幹子夫人だからだ。しかしたけしは少なくない額の“小遣い”を受け取って“オネーチャン”と楽しく生活している。やはりこの関係を一般的な夫婦観にあてはめて語ることは難しいだろう。

 妻について、たけしは同書で多くを語らない。そこに愛情や信頼、またはそれ以外の何かがあるのか、明かそうとはしないのだ。ただ、たけしにとっての“オンナ”は、世話を焼いてくれる“オネーチャン”であり、幹子夫人との関係は“オトコとオンナ”ではないことになる。すると、今回の独立報道でAさんはたけしのビジネスパートナーでもあると伝えられたが、どちらかといえば幹子夫人のほうがビジネスパートナーなのではないか。オトコとオンナでないのだから、その関係が終わることはない。他方、Aさんが世話焼きオネーチャンではなくなったときは、たけしとAさんの関係には終止符が打たれることになるのかもしれない。

(犬咲マコト)

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