大女優の草笛さんが静おばあちゃん役で、半人前の法学生の孫・円との会話はテンポよく進んでいくんだけど、草笛さんの凛とした品のよさが際立っているのよ。何より年齢を重ねてなお美しさが増していらして、大女優のオーラに惚れ惚れ、うっとりしちゃったわ。今回はね、はっきり言って円という猪突猛進で元気なキャラが結実ちゃん自身の性格に似ていたから何とかこなせていたけど、やっぱり周りの人の力が大きいかな。草笛さんは口で説明するというよりは、「私の背中を見て、立ち居振る舞いを見て、ゆっくり覚えていきなさいな」と語っている感じがしたし、要さんは結実ちゃんがどんな返しをしようと包み込んでいくような、まさに包容力のある演技で手助けしていたし。
それに1週目のゲストは柳沢慎吾さんなんだけど、神奈川県警の刑事というぴったりすぎる役で登場するの。現場ではお得意の「ウーウーウー」の警察ネタとお決まりの「あばよ」も披露してくれて、いつも現場を大いに盛り上げてくださったんですって。結実ちゃんも「こみ上げる笑いを抑えるのにとっても苦労しました。本番でも我慢しきれず笑っちゃってNGを出したり」と、コレは共演者の誰もが通る“柳沢慎吾あるある”の道なんだけど、案の定、結実ちゃんも慎吾ワールドに完璧にハマっちゃったみたい。おかげで緊張がとけたようで、現場の空気もすごくよくなって「楽しかったぁ。女優というお仕事を続けたいと、改めて思いました」と強く決意したそうなの。
台本を覚えるのはまず黙読して、それからお母さんやお兄さんと何度も何度も読み合わせをして。お家で入念な練習をしてから現場に向かったんですって。円というキャラについても自分なりに一生懸命、考えたらしいの。演技がどうのじゃなくて、とにかくその頑張りはハンパじゃないから前言撤回。見てあげて欲しいなぁ。「身内に見られるのは一番恥ずかしいんですけど、でもやっぱりお父さんにも見てもらいたいな。誉められるかどうかはわからないけど」って、照れながら話す姿が可愛くて、すっかり応援する気になっちゃったしね。手のひら返しの自分にびっくりよ!
『1周回って知らない話』や『誰だって波瀾爆笑』(ともに日本テレビ系)などレギュラー番組もあって、さまざまなバラエティー番組に出演している、誰が見ても“売れっ子”の結実ちゃん。あれはまだバラエティー番組に出始めたばかりの頃だったんだけど、女性マネージャーさんやスタイリストさん、ヘアメイクさんなどなどやたら取り巻きがいっぱい付いていて、「新人なのに手厚いケアを受けてるなぁ」なんて思いながら遠巻きに見ていたの。いつも明るくて、本番はもちろんだけど、控え室なんかでも元気いっぱいだし、お返事も優等生っぽくてね。何となくちょっと「ベッキー臭」を感じていたのよね。本人は意識してなかったと思うけど、元気を作ってる感じ、しなかった?
だけど、岡田圭右さんのまさかの離婚があって、世間の意識も彼女自身の意識も、いい意味で大きくガラリと変わったと思うのよね。両親の離婚ってあまりいい印象じゃないかもしれないけど、それをネガティブに捉えず「イジってください」オーラを前面に出して番組出演していた結実ちゃんを見て、これこそが本当の「岡田結実の開店ガラガラ~」なんだろうなと思ったの。たとえ親が離婚してもパパである圭右さんとは仲良しで、気持ちが繋がってるように見えてほっこりするしね。もうムリして元気娘ぶらなくてもよくなって、生きやすくなったんじゃないかしら? エラソーな言い方だけど……。
岡田圭右さんを何回かインタビューしたことがあるんだけど、いつもテンションMAXでめちゃくちゃ笑わせてくださって。「ン~ン、わぉ」も「バビョン!」も嫌がらずにいつ何時でも披露してくれて。ただとにかくマジメなのよ。あの痛々しい芸は、深く練られた上での神芸だからこそみんながイジれるんだろうなぁ。結実ちゃんもその真面目で律儀な性格はDNAにしっかり根付いて組み込まれているだろうから、まだちょっと心配だけど、もう少し肩の力を抜いちゃってもいいんじゃない? だってまだ17歲なんだから。