井浦新の強烈な存在感、積み上げてきた20年

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 “思い出作りに”と出演した映画『ワンダフルライフ』は、海外でとりわけ高い評価を得て複数の賞を受賞。井浦新は高崎映画祭で最優秀新人男優賞を受賞している。主演の柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭において最優秀主演男優賞を受賞した是枝監督作品『誰も知らない』と同様、『ワンダフルライフ』も台本は状況設定のみで、役者は即興で台詞を言う方法が取られたそうだが、井浦は必死でそれに応じた。同時に、本物の役者たちを目の当たりにして「自分がここにいていいのか」葛藤も覚えたという。

 その後、井浦の芸能活動は映画を中心にしたものとなり、『DISTANCE』(是枝裕和監督、2001年公開)、『ピンポン』(曽利文彦監督、2002年公開)、『青い車』(奥原浩志監督、2004年公開)、『蛇にピアス』(蜷川幸雄監督、2008年公開)など多数の作品に出演、現在までに出演した映画は70本以上に上る。2008年頃からは、テレビドラマにも出演するようになった。2012年のNHK大河ドラマ『平清盛』にも崇徳上皇役で出演。2014年の連続ドラマ『同窓生~人は、三度、恋をする~』(TBS系)や、『コントレール~罪と恋~』(NHK)など恋愛をメインに描いたドラマ作品でも主演しており、特に後者は石田ゆり子とのせつない恋が話題となった。涼しげな風貌であり、感情を抑えた大人の男性を演じることが多い印象だが、前述したように『アンナチュラル』では終盤にかけて感情の起伏を表現する場面も増えている。同作を通じて、井浦新は実はこんな役者だったのか、と気付かされた視聴者は多いだろう。

 昨年11月公開の映画『光』舞台挨拶で、共演の瑛太が井浦を心から尊敬している存在であり「心中してもいい」とまで言っていた。『ワンダフルライフ』から約20年の月日が流れたが、多くのクリエイターや役者に愛され、信頼される俳優になったことは間違いないだろう。『アンナチュラル』は316日に最終回を迎え、“中堂ロス”に陥る視聴者も多いことは想像に難くないが、出演作は途切れそうにない。

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