レスリング伊調馨選手へのパワハラ問題、会見で激怒した谷岡郁子学長が今すべきこととは

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「伊調選手」ではなく「伊調馨さん」と呼ぶ意図

 谷岡氏は会見の最中、“伊調選手”と呼ぶことはなく、“伊調馨さん”で通した。谷岡氏が彼女を現役選手として認めていないことがうかがえる。

「そもそも伊調馨さんは選手なんですか? そもそも彼女は東京オリンピックを目指してるんですか?(リオ五輪後に)しばらく休みたいと言ったまま、その考えを変えたかどうかわたくしどもは全く知りません」「選手でない人が、五輪を目指すはずがない人の五連覇を阻止するということが、存在できるのでしょうか?」とも発言している。

 谷岡氏の見方では、伊調選手は一方的な告発状によってレスリング界を混乱に陥れ、大切な至学館大の学生たちへの風評被害を招いた悪者であるのかもしれない。少なくとも伊調選手への敬意は感じられず、余計なことをした者への憎悪と排除の感情が垣間見えてしまう。

 「週刊文春」の第一報直後、谷岡氏はTwitterで次のように投稿していた(現在は削除)。

「栄監督は、週刊文春が描いているような人物ではないと、私は保証します。口下手で不器用な熱血漢。欠点もあるし、誤解されやすいけど、選手が大事で陰湿ではない。だから、私が創ったレスリング部を二十数年任せてきた」
「陰湿なパワハラ体質が中心にあって、沙保里はじめこれだけの強くも明るく、爽やかなチャンピオンたちが育つと思いますか? 栄監督の指揮の下、高校生、大学生でこの9年余、退部者は1人もいません。事実が人間性の証明」

 しかし詳細を調査、検証することなく、印象だけで「ありえない」と切って捨ててしまっていいのだろうか。事実がどうであったか知ろうという姿勢すらそこにはない。

 もちろん事実の検証が遅々として進んでいない今、パワハラを「あった」とも「なかった」とも言えず、告発の内容を鵜呑みにしてもいけない。たとえば「週刊新潮」(新潮社)では、告発の背後に、伊調選手の親戚だという怪しげな男の存在があると報道。この男が栄氏にトラブルを仕掛けた過去があり、今回の告発騒ぎを仕組んだという説が出ている。

 様々な情報が錯綜しているからこそ、事実はどこにあるのか調べなければいけない。そのための資料提供や情報開示こそが、この騒動を迅速に終わらせるために必要不可欠だ。感情的に「パワハラなどない」と証言しても何の証拠にもならない。谷岡氏にはまずそこを理解してもらいたい。

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