小倉智昭「承知の上で炎上させていることもある、どんどん叩いて」。ヘイト発言やセクハラ軽視に反省ゼロ?

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小倉智昭の被害者ズラにうんざり。『自分らしさ』と『無礼』の分別つかず「どんどん叩いて」の画像1

とくダネ! オフィシャルサイト より

 今春で放送開始19年目を迎える『とくダネ!』(フジテレビ系)に、4月2日からメインキャスターの小倉智昭氏(70)に加え同局の山崎夕貴アナウンサー(30)と伊藤利尋アナウンサー(45)がMCに加入する。3月22日に行われた会見で、小倉氏は同番組の視聴率低迷について「ご存知のように母屋自体が不振な状態なので、それもあるかと思います」とフジテレビ自体が視聴率不振に陥っていること、そして「19年もやっていると飽きられるというのも当然ある。テレビ朝日の傾向を見ると、年配の方がかなりあちらに移ってしまった。同世代の司会者がいいというのがあるとは思う。その辺はこの2人がこれからカバーしてくれれば」と同時間帯の民放視聴率1位を獲得している『羽鳥モーニングショー』と比較した。

 また、自身の発言がネットニュースなどで叩かれることに対して小倉キャスターは「たぶん炎上するな、と承知の上で炎上させていることもある」「良きにつけ悪しきにつけ、話題になるのはいいこと。これからもどんどん書いていただくなり、叩いていただくなりして」とコメントしている。同様の発言は、2015年3月にもあった。

 当時、「NEWSポストセブン」のインタビュー取材にて、視聴者層を意識して発言しているかとの問いに「ぼくが司会をやる以上はぼくの番組だと思ってるんですよ。自分らしさが出なくなったら、ぼくの仕事は終わりだと思う」「視聴者に合わせてどうこうするということは、この16年間一切ないです」と返答し、批判されても一切気にしないという姿勢を示していた小倉キャスター。その「自分らしさ」が、「炎上」に繋がっている部分は大いにあるだろう。

 たとえば2014年12月に、レディー・ガガ(31)の奇抜な衣装を同番組にて特集した際、「名前変えたほうがいいよ。レディー・バガ」と発言して炎上。その直後にも、今後の去就問題で揺れていた浅田真央選手(27)に対して「若い人たちが育ってきてるからフィギュアスケート界の将来は明るいとは思うんですが。ただ、それまでの“つなぎ”で、ぜひ!」と失礼な発言をして炎上した。

 2015年2月に韓国の“ナッツ・リターン事件”を報じた時には、コメンテーターとして出演していた産婦人科医の宋美玄氏に「韓国の人は自分の責任は認めないで他人の責任にするのか?」と質問をぶつけた。宋美玄氏が在日韓国人三世であることから、小倉キャスターはこの質問をしたと考えられるが、宋美玄氏は「自分のまわりの人だけで判断していいかわからない」と民族的な問題にされることをやんわり否定。しかし小倉キャスターは「日本人なら素直に謝るはず」「『日本人はきちんと謝る。韓国人もそこを見習わないと、いつまでたっても日本に追いつけない』って」と主張した。言うまでもなくこの発言は、一人の問題を勝手に民族全体の問題に拡大しており、民族差別でしかない。キャスターとしてあまりに軽率だが、小倉氏はそのことにまったく気がついておらず、「自分は率直な物言いをしただけ」と認識しているようだった。

 今年物議を醸した相撲界の問題でも、迂闊な発言を連発して炎上していたことは記憶に新しい。たとえば不調の続く横綱・稀勢の里に対して「横綱も負け越したら大関陥落とかにしないものかね」と苦言。酒場でテレビを見ながらコメントする一般のおじさんなら構わないが、情報を届ける側としてとにかく慎重さと礼儀に欠ける。また10代の若手行司が、現役最高位の立行司に無理やりキスをされるなどのセクハラをされたと訴えたことについても「内々の話でとどめられなかったのかな」「公表する必要があった?」などと被害者を責める発言も。セクシャルハラスメントや性暴力を軽視しているようで、海外でセクハラ告発が話題になった際には、ゴールデングローブ賞授賞式のVTRを見て「セクハラはダメですけど、女優さんに(胸元の開いたドレスで)あんなに胸強調されたら、男の人もたまりませんよね」とセクハラに関するニュースに対し、さらなるセクハラを助長する発言をしている。

 2012年、難病の潰瘍性大腸炎で総理大臣を辞任した安倍晋三首相(63)に対して「お腹痛くなって辞めちゃった。子どもっぽい」などと経営コンサルティングの田中雅子氏(49)と共に揶揄する一幕もあった。これを受けて安倍首相はFacebookにて「意図的な中傷であると判断せざるを得ません。テレビに出て来る資格無しです」と名指しで憤りを示していた。

 「ネット炎上」にもいろいろあり、何も悪いことをしていないのに言いがかりをつけられ誹謗中傷を受ける著名人も少なくないが、小倉氏の場合はそうしたケースとは明確に異なる。いずれの発言も曲解されているのではなく明らかな失言であり、「炎上」「叩かれる」と表現するのはふさわしくないだろう。小倉氏の「らしさ」がどのようなものなのか理解しがたいが、朝の顔である以上、少なくとも発言対象に一定の敬意を持ち、ヘイトやハラスメントについても多少は神経を届かせてもらいたい。

(ボンゾ)

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