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森田剛をはるかに凌ぐ「ジャニーズイチの演技派」岡本健一の世界が認める才能!

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世田谷パブリックシアター「岸 リトラル

 劇場へ足を運んだ観客と演じ手だけが共有することができる、その場限りのエンターテインメント、舞台。まったく同じものは二度とはないからこそ、時に舞台では、ドラマや映画などの映像では踏み込めない大胆できわどい表現が可能です。

 舞台でも活躍する俳優の話題で最近もっとも世間を驚かせたのは、宮沢りえの再婚でしょう。相手の森田剛がジャニーズ事務所所属のアイドルだったことへの「なぜ?」の声は、著者の周囲でもよく聞かれました。しかし、交際のきっかけが舞台「ビニールの城」への共演だと報道されたように、舞台の出演歴からみれば森田剛は、蜷川幸雄宮本亜門ケラリーノ・サンドロヴィッチなど著名な演出家の作品の数々に主演する立派な実力派俳優。ジャニーズというアイドルイメージに惑わされず、実をとったともいえる宮沢りえは、お互いの仕事をリスペクトしあえる幸せなパートナーシップを築けるんじゃないかなとすら思っています。

 そのジャニーズ事務所所属の俳優の出演作の宣伝でよく用いられるのが、「ジャニーズいちの演技派」という表現ですが、随分たくさん一番がいるんだな~と突っ込んだ経験のある人は多いのではないでしょうか。本当にジャニーズいちの演技派は、誰なのか。

 個人的には、主演も脇役もできて小規模な劇場でも大劇場でもしっくり馴染む、元男闘呼組の岡本健一を押したいと感じています。今月半ばまで主演していた舞台「岸 リトラル」でも、荒唐無稽でありながら世界の悲劇と地続きの難作で、舞台俳優としての底力と魅力を存分に魅せてくれていました。

オジサンと青年を軽々と往き来する

 青年ウィルフリードは、人生最高のセックスをしていたある夜、幼い頃に別れた父親・イスマイルが死んだと知らせる電話を受けます。覚えてもいない父親ですが、せめて自分が生まれると同時に亡くなった母の墓に一緒に埋葬しようとすると、母の親族たちは猛反対。自分の知らない両親の関係と過去を探るため、2人が生まれた土地であり内戦の傷跡の残る中東の国へ、父の死体とともに旅に出ます。

 岡本が演じるのはイスマイル。イスマイルは死んでいるのですが起き上がって動き、ウィルフリードやウィルフリードの妄想の中に登場する騎士と会話もします。生前はウィルフリードに関わろうとせず世界中を放浪していたイスマイルですが、亡くなった時に唯一携えていた赤いスーツケースの中は、決して投函することのなかった息子への手紙で溢れていました。

 腐っていく死体の役といえど、本音を隠して息子をあしらう気難しい表情は、ただのやっかいなオッサンにしか見えません。ですが、残された手紙を読み進める中で劇中劇のように展開される両親が出会った頃や爆撃のさなかでウィルフリードが生まれるまでの思い出の場面になると、スイッチでも入ったかのように優しい青年にしか見えなくなるのは驚きでした。

 しわがれた低音からはつらつとした声音への切り替えの巧みさは、岡本の技量の高さの証でもありますが、鮮やかすぎる見た目の年齢の転換が可能な理由として気づいたのは、ジャニーズ所属俳優の大半の特徴でもある、低身長でした。

 すでに成人した息子・Hey! Say! JUMPの岡本圭人がいることを考えれば、岡本は実年齢でいえば死体のイスマイルと同年代のはずなのに、青年としてもビジュアルでの違和感をまったく与えない年齢不詳ぶりは、かなり稀有なものではないでしょうか。

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フィナンシェ西沢

新聞記者、雑誌編集者を経て、現在はお気楽な腰掛け派遣OL兼フリーライター。映画と舞台のパンフレット収集が唯一の趣味。

twitter:@westzawa1121

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