働きやすい会社は「女性を優遇」とは考えない。働き方改革の本質とは

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 『ほんだし』や『クックドゥー』で知られる味の素株式会社は、昨年4月より、815分始業・1630分終業、7時間15分勤務を導入した。それ以前は845分始業・終業時間は1720分終業の7時間35分勤務だった。導入に伴い、東京本社では毎週水曜日は17時にビルを閉館させているという。

 2015年に同社社長に就任した西井孝明氏の「日経ビジネス」でのインタビューを引くと、導入背景として育休制度や時短勤務などのサポート制度が充実していても退職者がいたこと、であれば全体の時間を短くして「特定の女性だけでなく、みんなが」早く帰れるようにすれば、誰もが心苦しさを感じずに堂々と帰れると考えたという。2020年までに7時間勤務にするのが目標だそうだ。こちらも「女性優遇の制度」ではない。全社的に長時間労働を前提としない効率的な働き方に切り替えたのである。またこれに先立つ20172月には、社員の基本給を1万円アップ、配偶者手当は共働き世帯が増加する現代には見合わないとして廃止、その他の手当ても見直しを図った。カルビーも諸手当の見直しはすでに実施している。ちなみにカルビーの就業時間は830分始業・17時終業だ。

 西井氏は、ブラジル味の素の社長とラテンアメリカ本部長を務め南米に駐在していたが、ブラジル本社は従業員に占める女性の割合が70%に達しているのに対して、日本では約30%(2015年度)にとどまっていることにも注目。2015年に日本国内で「味の素ウーマンズカウンシル」を設立し、女性のキャリアポジションを限定せずに「日本でもっとも女性も活躍する会社」の実現を掲げた取組みを継続している。同社の女性基幹職(管理職)数は2015年度で106人だが、2020年度には1.5倍の160人に達することを目指す。

 いずれも、女性は「特別枠」ではない。長時間残業に代表される日本式の従来の働き方こそが「特別」であり「普通」ではないという意識のもと、企業として効率的な利益追求の結果として、働き方を改革している。だから逆接的に、女性も働きやすいのではないだろうか。「女性活躍」の旗を掲げ、あれもこれもと足し算で福利厚生をとってつけるより、従来の働き方をこの先も続けていて会社として大丈夫なのか、事業拡大していけるのか、持続可能なのか、考えれば自ずと答えは出るはずだ。

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