森三中・大島美幸もすすめたトンデモ・ヨガに注意! 健康被害が出るケースも…

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Thinkstock/Photo by champlifezy@gmail.comF

 新年度である4月は、新たなチャレンジを始めたくなる季節。その中でも〈ヨガ〉は特別な道具もいらずスタジオが山ほどあるので、気軽に始められる習い事として候補に挙げる人も多いでしょう。ヨガはここ数年、空前のブームになっている人気のエクササイズ。老若男女それぞれの体のコンディションに合わせたやり方があるので、誰でも取り組むことができるのが魅力です。

 オシャレな内装の人気スタジオともなればくつろぐだけでも気分がアガり、そこに集う美しいヨギーニを見ればダイエットのモチベーションも高まりそう。ボディを磨き上げるぜ! とまでガチに取り組まずとも、〈ヨガスタジオに通っている〉という事実だけで、これまでの暴飲暴食への罪悪感が薄れる効果も期待できそうです。

 ……というのが表面的なイメージ。ヨガはトレンド化して急速に広まったことにより、問題も多々発生しているようで、先月はNHKで「トラブル急増中」との情報が取り上げられていました。

 番組では、国民生活センターに情報公開請求を行い、ヨガに関する相談の件数や内容を調査。すると圧迫骨折などの大きな怪我を始め、ホットヨガではアレルギーや蕁麻疹、皮膚のただれなどが起こったという報告が寄せられていたことが判明。その背景には、ヨガを指導するために特別な資格は必要なく、専門知識を学ぶことを義務付けられていないことが関係しているのでは、と指摘されていました。

 さて、〈特別な資格がいらない〉〈ブームの健康法〉というのは、トンデモ物件が生まれる大きな要素であることを、一部のみなさまはよくご存じでしょう。NHKで取り上げられた〈指導者のスキル不足〉を通り越し、今やトンデモ系のヨガは有象無象。そもそもヨガは単なるエクササイズではなく、瞑想や呼吸法などを組み合わせた修行法、補完代替医療のひとつですから、思想が入り込むのは、ある程度仕方ありません。しかしだからと言ってな~、というものをご紹介していきましょう。

その1★子宮ヨガ&月経コントロールヨガ

 骨盤底筋など〈子宮〉周りの筋肉を鍛えるポーズを中心に取り入れ、健康になりましょうと謳うヨガがこちら。こちらのトンデモポイントは、下半身の筋肉を鍛えて〈経血コントロール(※排尿のように、経血の排泄をコントロールできるというもの)〉の習得を目指し、経皮毒(※日用品に含まれる化学物質が、皮膚を通じて体に蓄積されるというトンデモ思想)となる使い捨ての紙ナプキンを使わなくて済むようになりましょうね、という思想ありきなところ。〈子宮ヨガ〉を提唱しているサイトでは、さらにこんな説明文も。

・骨盤周りの血流やリンパの流れをスムーズにし、コアマッスルが鍛えられることで体を内側から温めながら免疫力をUPさせ、子宮や卵巣を温めます。
・相乗効果として月経周期が安定し、精神的な安定でこころのバランスが取れ、女性ホルモンバランスが整い、本来の内なる美しさがよみがえります。

 特定の部位を鍛えると、月経周期やホルモンバランスが整ったり、生殖器が温まったりする……だと!? まったくの無関係とは言い切れないでしょうが、あてのないことを期待する「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルの話です。

 蛇足ですが、同サイトの誘導する「女性ホルモンケア・アドバイザー認定講座」という講座は、「ホルモンバランスの不具合に対応した代替療法を詳しく学ぶ」とのことで、子宮&月経コントロールヨガと合わせて果てしなく無責任っす。

その2★月ヨガ

 こちらも子宮ヨガ同様に月経(生理)がからみますが、どちらかというと〈天体の月〉にフォーカスしたヨガです。月の満ち欠けに合わせ、女性の骨盤は28日周期で開いたり、閉じたりを繰り返しているというお説がベースになっています。その時期の心身の特徴を踏まえたポーズをとることで、子宮や骨盤の動きを活性化し、心身の健康が手に入るそう。元モデルの島本麻衣子さんの提唱する〈月ヨガ〉を筆頭に、〈ムーンヨガ〉など大体同じ理屈のものが多数存在。

 さてこちらは「月のリズムを意識した生活って素敵よね~」くらいならいいのですが、「徐々に月のサイクルと月経周期が合うようになる」という言及も珍しくなく、「女の体って神秘!」なる演出に背筋がかゆくなってきます。しかも衛生用品の大手メーカーであるユニ・チャーム「ソフィ」のHPでは、不妊症の改善や婦人科系の病気予防に効果アリとまで言っちゃっている(無理だろ)! かゆくなった背中に、冷や汗が流れ落ちました。ヨガに過剰な期待を持たせすぎるのも罪ですわ~。

その3★ウミヨガ&子宝ヨガ

「子どもを産みたい!」という切実な思いにつけこむ〈妊活に特化したヨガ〉は、さらに闇深くなっていきます。こちらは当連載内「身内がトンデモになりまして」シリーズの「妊活ヨガ講師になった妹という体験談に登場したものを始め、〈子宝ヨガ〉〈ウミ(産み)ヨガ〉など、バリエーション多数。そういえば森三中・大島美幸の妊活本にも、当然のごとく登場しておりましたよ。

 授かり体質! 妊娠力を高める! 着床をバックアップするポーズ! とか本気で頭が痛くなってくる単語がずらずら出てくるので、トンデモ耐性のない方は、うかつにHPを覗かないほうがいいでしょう。「このヨガのおかげで、子宝に恵まれました!」という歓びの声が定番ですが、それを真に受けた人たちが、限られた貴重な時間を浪費しないことを願うばかりです。

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