
Photo by 赵 醒 from Flickr
黒髪のショートヘアに、飾り気のないファッション。一見、清楚な雰囲気漂う女の子の口から出た言葉は、そのルックスからは予想できないものばかりだった。
「昔けっこう遊んでいたから、結局何人くらい経験したかあんまり覚えてないんです」
過去の恋愛を包み隠さず話す彼女は、自分の欲望も隠さず、上京した理由も赤裸々に語ってくれた。
今日の上京女子/桃倉もも(24) ライター・学生

今日の上京女子・桃倉もも(24)兵庫県出身
桃倉ももは、兵庫県姫路市の田舎に生まれ、真面目な両親に育てられた。
「田舎には居場所がないって思ってたし、東京で華やかな生活がしたかったんですよね。ポルシェとかフェラーリの車の助手席に乗るのがかっこいいって思ってた」
そんな彼女は、迷うことなく大学進学を機に上京した。
「東京のおじさんすごい!」港区ライフ
華やかな生活に憧れて上京した彼女は、大学入学後すぐにその夢を実現させた。当時流行だった六本木ヒルズレジデンスに住んでいたこともある都会的な彼氏をゲットしたのだ。
「彼氏とは25歳くらい離れていたから『お金目当てだろ』って言われることが多かったんですけど、私は本当に彼のことが好きだったんです」
年上の彼氏とは、半同棲をしながら3年近く付き合ったが、異性関係のもつれで別れることになった。
「別れたショックで一時は遊びまくってた」
彼女は、好きな人がいない時には遊ぶこともあるけれど「これ」と決めた人を見つけたら一途だという。
「好きすぎて嫌われたらどうしよう、重いと思われたらどうしようって思うから、本当に好きな人に自分の気持ちは言えない」
好きな人には正直でいたいという気持ちから、遊んでいた時期のことも聞かれればすぐに打ち明けるそうで、現在彼女が気になっているという彼も彼女の過去を知っているという。
「昔はいろんな人と経験したかったけれど今は違います。今は好きな人としかセックスしたくないんです。だって、新しい人とのセックスって、面倒じゃないですか? 俺ルールを知るところから始めないといけないし、大体3回目から楽しくなる気がする。昔は新規開拓というか、それが楽しく感じることもありましたが今は好きな人に時間を使いたいし、それ以外のセックスはあんまりしたくないかな」
顔出しライターって、みんな病んでますよ
恋愛体質の彼女は、数年前から自分の気持ちや恋愛遍歴をTwitterにつぶやくようになった。そのつぶやきを友達が「面白い」と評価してくれたのをきっかけに、ライターとして恋愛コラムを書くようになったという。顔出しでライターをしていることに、「勇気があるね」と言ったら、意外な言葉が返ってきた。
「勘違いされがちだけど、自信があるから写真を載せてるんじゃないんですよね。その逆。自信がないから、自分を客観的に見るために載せてるんです」
小さい頃から「普通のことができない」と感じることが多々あり、大学時代はアスペルガー症候群の特徴に似ているとからかわれ、「アスペ姉さん」というあだ名で呼ばれていたこともあったそう。そして、「人と違う自分」「親の期待している人生を歩めていない自分」にコンプレックスを感じることもあったという。
自分に自信がなく「病む」ことも多いそうだが、自分自身の「病んでる」部分も仕事に生かせるのがライターという仕事のいいところだ。
「私だけじゃなくて、私の周りの顔出しライターって大抵病んでると思います」
そう自嘲気味に笑う彼女の目下の目標は、書籍を出版することだ。
「大学を留年しちゃったり、ライターっていう仕事を反対されているのに続けていたり、親に迷惑かけちゃってるから、ちゃんとしたところを見せたいっていう気持ちが強いんです。書籍が出版できたら、親も安心するだろうなって思うし、『ちゃんと仕事してるんだよ』って堂々と言えると思うから」
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