井ノ原快彦が渡瀬恒彦から引き継ぐ『9係』、全12シリーズで平均視聴率10%超えの人気の理由

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『特捜9』 オフィシャルサイトより

 4月11日から『特捜9』(テレビ朝日系)がスタートする。同ドラマはseason12まで12年間に渡り愛されてきた『警視庁捜査一課9係』を前身とする作品で、9係メンバーが「特別捜査班」に再編され新たな事件に挑む。テレビ朝日系のドラマシリーズと言えば『相棒』や『ドクターX ~外科医・大門未知子~』などが脚光を浴びがちだが、実は『警視庁捜査一課9係』シリーズも根強い人気を誇るすごいドラマなのだ。

 まず注目したいのは歴代シリーズの視聴率。シーズンごとの全話平均視聴率は以下の通りすべて二桁だ(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)

「season1」13.7%
「season2」12.7%
「season3」11.5%
「season4」13.0%
「season5」14.7%
「season6」15.8%
「season7」11.9%
「season8」13.2%
「season9」11.4%
「season10」11.9%
「season11」12.2%
「season12」11.5%

 実に12年間、一度も10%を下回ったことがない。なぜ『警視庁捜査一課9係』は時代を超えて人気を博しているのだろうか。

 その理由のひとつは、同作特有の良い意味で“軽い”ストーリーにあると思う。本格的な刑事ドラマではあるものの、作中に登場するキャラクターもほんわかしている。例えばseason1の第一話は、V6の井ノ原快彦(41)扮する新米刑事の浅輪直樹が、ドラマが始まって早々女性にケーキをぶつけられ、落ち込んでいたところで殺人現場に遭遇し、刑事であるにも関わらず後ろから何者かに殴られ気絶してしまう。文字だけでみるとコントのようだが、その軽さが見易さでもあるのだ。物語では、着任早々さんざんな目にあってしまった浅輪がその後もあたふたしながら、先輩刑事に小言を言われつつ、事件解決に貢献。そんなユルめのキャラクターも、刑事ドラマ特有のシリアスな雰囲気をマイルドにするのに一役買っている。

 刑事たちはクセ者揃いで、婚期を逃しつつある9係の紅一点・小宮山志保(羽田美智子/49)や、出世に熱い野心を燃やす村瀬健吾(津田寛治/52)、完璧主義だけどコンプレックスの固まりな青柳靖(吹越満/53)、とにかく大らかな矢沢英明(田口浩正/50)などが登場する。ただしもちろん、もっとも重要だったのは、昨年3月に他界した渡瀬恒彦(享年72)の演じる同シリーズの主人公・加納倫太郎の存在だ。

 彼は9係の係長で、普段は「昼行灯」と部下から言われてしまうほど掴みどころのない性格をしている。しかし実はかなりの切れ者で、これまでに何度も難事件を解決してきた。同シリーズの象徴とも言えるキャラクターだが、渡瀬恒彦さんの急逝直後に放送となったseason12は“主人公不在”という異例の脚本で放送を開始。コンビを組んでいた井ノ原快彦を中心的なキャラクターに据え、物語を展開させていった。

 そんな長い歴史を持つ『警視庁捜査一課9係』が、装いを新たに『特捜9』としてリスタートをきる。ついに井ノ原快彦を正式に主役として抜擢し、9係ではなく“特別捜査班”の主任として、お馴染みのメンバーや新キャラクターと共に事件を解決していくという。温かみを感じさせる軽さはそのままに、9係の面々の活躍を覗き見させてもらう感覚で、今シーズンも楽しませてもらいたい。

(ボンゾ)

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