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増加し続けるストーカー被害の背景にあるのは、被害の軽視と加害意識の薄さ?

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Thinkstock/Photo by KatarzynaBialasiewicz

 タレントの菊池桃子さんに対して、つきまといなどのストーカー行為を繰り返していた元タクシー運転手の男が逮捕された

 この事件の報道をきっかけに、芸能人が相次いで、過去に遭ったストーカー被害を公表している。女優の雛形あきこさんは、家に帰ったタイミングで毎回電話が鳴らされるという被害に遭い、引っ越しをしたことがあると語った。歌手のNAOMIさんは、ストーカーが通っていたサウナに出現し、彼女の行動を事細かにアンチサイトに書き込まれたり、裸の写真を盗撮されたストーカー被害に遭っていたことを自身のブログで公表した

 先日wezzyに掲載された、ブログウォッチャー京子さんの『Kinki Kidsやスピッツもストーカー被害に苦しめられた…自宅にまで侵入する悪質さ』でも言及されているように、過去には複数の芸能人が被害に遭っていたことを公表している。

 当然ながらストーカー被害は芸能人だけが遭うものではない。むしろ芸能人以外のストーカー被害のほうが多いだろう。最近の例では、先月5日に、女性職人専門の寿司店「なでしこ寿司」に対して執拗な嫌がらせ・ストーカー被害が3年以上続けられていたことがJ-CASTニュースの取材で判明している。ストーカー被害は、性別問わず誰もが被害者になりうる可能性がある。今回は、ストーカー被害の現状と、それを取り締まるストーカー規制法の大きな流れとその問題点などをお伝えしたい。

ストーカー被害の相談件数は過去最多

 まずは、先月警察庁が公表した『平成 29 年におけるストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等への対応状況について』という資料を元に、ストーカー被害の現状を数値でみてみたい。

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 資料によれば、2017年のストーカー事案の相談件数は、23,079 件(前年比+342件,+1.5%)とストーカー規制法施行後最多となっている。また、ストーカー規制法に基づく「警告」は、2017年は3,265件(前年比-297 件,-8.3%)、「禁止命令等」は662 件(前年比+489 件,+282.7%)。

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 警告とは、被害者から警察に申し出等があった場合にストーカー行為者に対して、更に反復してつきまといなどの行為を行わないようにと文書で警告することをいう。行為者が従わなかったとしても罰則はない。

 一方、禁止命令等は、聴聞(行為者の言い分を聞くなどすること)を経て、行為を禁止する命令を出すことをいう。しかし緊急の場合などは、聴聞を後回しで禁止命令を出すことが可能。行為者が従わなかった場合には、禁止命令等違反罪として2年以下の懲役又は200万円以下の罰金などが課せられる。

 実は2016年のストーカー規制法改正まで、禁止命令等は罰則が一度出された者に対してでなければ行えなかった。2017年に警告が前年比で減少、禁止命令等が前年比で急増しているのは、この改正による影響だと思われる。

 警察に相談をした被害者の性別は、女性88.3%、男性11.7%。年齢層は、20代が35.5%と一番多く、次に24.9%で30代、19.0%で40代、10.1%で10代、6.7%で50代と続く。

 これはあくまで警察に相談をした被害者のデータであって、実際の被害件数ではないことを留意しておく必要がある。なぜなら、ストーカーの被害者というと女性のイメージが強く、男性の場合被害を訴えることが難しいと感じている人も少なくないだろうし、10代の子供だと被害に遭っていても、誰にも言えなかったりで警察に訴えられない場合もあると推測できるからだ。

 加害者の性別は女性11.9%、男性82.7%、不明5.4%。年齢層は、30代・40代が多くそれぞれ20.8%、20.9%の割合を占めており、18.2%で20代、11.3%で50代、6.5%で60代と続く。

 被害者と加害者の関係は、交際相手(元含む。) が断トツで多く44.8%を占めている。

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