
渋谷すばる「記憶 / ココロオドレバ 」INFINITY RECORDS
4月15日、渋谷すばる(36)が『関ジャニ∞』からの脱退と、ジャニーズ事務所から離れることを発表した。まずジャニーズファミリークラブにメンバー全員のメッセージが掲載され、その後、東京都内のホテルにて記者会見が行われた。渋谷は7月15日から始まる関ジャニ∞のコンサートツアーには参加せず、12月31日をもって事務所も退所する。
会見には、怪我をしてしまったという安田章大(33)以外のメンバー5人も出席。皆、目が潤んでいるように見えた。黒いスーツに身を包み、沈痛な表情で座る彼らの姿は、音楽番組やバラエティ番組でカラフルな衣装をまとい明るい笑顔を見せる姿とのギャップが大きかった。それだけ彼らにとって、事務所にとって、そしてファンにとっても重大で真剣な決断ということだ。
15歳から21年間もの間、ジャニーズアイドルとして活動してきた渋谷すばる。多くのファンやミュージシャンがボーカリストとしての渋谷すばるの歌声に魅了され、かねてよりアーティスト志向の強さは知られるところだった。
しかし同時に、関ジャニ∞としてファンを愛し、アイドルらしい活動をしてきてもおり、4月12日に「フライデー」(講談社)が先行配信でこの脱退について伝えた時点では、多くのファンが「ありえない」と一笑に付していた。
渋谷すばるの脱退報道が「ありえない」と言われた理由は、同誌では脱退理由について「関ジャニ∞のコミカルな方向性にこれ以上は耐えられない」とされていたから。会見では「本当の理由」が誠実に語られた。渋谷すばるは、次のように語った。
「36歳という年齢を迎え、人生残り半分と考えた時に、今まではジャニーズ事務所、関ジャニ∞というグループにありがたくも守られ、支えられ、時には甘えさせてもいただきましたが、この先は、今までの環境ではなく、すべて自分自身の責任下で今後の人生を音楽で全うするべく、海外で音楽を学び今後さらに自分の音楽というものを深く追求していきたいと思いました」
「メンバーと何度も話し合いました。そのたびに、自分を見つめ直し、考え直しました。ですが、自分の意思が変わることはありませんでした。自分勝手な決断で申し訳ありません」
関ジャニ∞のコミカルな楽曲やバラエティー路線を嫌った、という報道については「責任をもって否定させていただきます」とした。
各々のメンバーも、残念な気持ちはもちろんあるものの、話し合いを重ねて渋谷すばるの決意に納得し、こうして送り出す。また、会見の場を設けたということは、ジャニーズ事務所も渋谷のこれまでに感謝し、今後の活動を応援するということだろう。不穏な空気漂う「円満ではない退所」ではない。このことが、21年間にわたり、渋谷すばるが積み重ねてきたものの大きさを示している。