坂上忍の暴言・恫喝・パワハラ体質の正体 「追い込まれて精神が崩壊するちょい手前くらいが気持ちいい」

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 冒頭で紹介した417日放送の『マツコの知らない世界』での坂上忍の振る舞いも、一部視聴者にはパワハラに映ったようで、SNSで「ひどい」という感想が多く投じられていた。それは、坂上が「素敵な面白い役者さんを紹介したい」として2名の役者が登場し、その場で即興演技をした場面でのことだ。

 坂上いわく、役者は「芸人さんと比較すると役者は登竜門がなくて脚光を浴びる機会が少ない。M-1グランプリやキング・オブ・コントのようなものはない」ため、まだ世に知られていないが素敵な役者を紹介したいとの思惑で2名の実力派役者が登場。坂上が普段行っている厳しい稽古を実演した。

 1人めは「泣きの芝居」を坂上が評価しているという劇団「モダンスイマーズ」に所属する俳優・古山憲太郎(42)。古山は何も知らされておらず、設定やストーリーもなしにその場で泣きの演技をすることを求められ、緊張からかなかなか泣けない。

 坂上は「理不尽って思う人もいるかもしれない。でもここで泣けるから、ぽっと出てきたイケメン役者とは腕が違うんだ」とプレッシャーをかけ、やりづらそうな表情を見せる古山に「“圧”ほしい? ヤバそうだったら追い込むわ」と投げかける。稽古では坂上が圧力をかけることで“泣き”を誘うらしく、古山も「ダメそうだったら、ちょっと……」と言い、数分後に「お願いします……」と要求した。

 すると坂上は「お前、今のだとただのヤバイ奴じゃん」とひとしきり爆笑してから、「最近泣いてねえんだろ」「気取ったら泣けねえからなあ!!!」「顔作ってんじゃねえよオラァ!!!」と威圧。そこから5分経過するも古山は泣くことが出来ず、坂上は机を叩き「ハイ時間切れ!」と言って古山に酒を飲ませ、「自分の中でカァーッときたら手ぇあげて。焦ることないからな」と舞台袖に移動させた。その後も、古山がついに涙を流し始めると「追い込めよ追い込めよもっと追い込めよ自分でえ、声出すんだよ!余計なこと考えるな!」と大声で煽り、古山が大量の粘着力の強い鼻水を垂らすと大喜びで「これがすごいんだよ!」と喜んでいた。

 この一連の流れが視聴者には「笑えない」と不評。また、2人めとして登場した劇団「猫のホテル」の村上航(47)のことを坂上は「どんな理不尽でも受け入れて体現する俳優」だと紹介し、「村上も古山も絶対断らないんです。何を要求されても断らない」と、彼らの理不尽な要求を受け入れる姿勢を高く評価した。

 なるほど、坂上忍にとっては、芸能界――役者の世界は理不尽なものであり、絶対に断らない姿勢を役者として重要視している。前半部分で坂上は「今、パワハラ・セクハラうるさいじゃないですか。(当時の芸能界は)それしかなかったです。そういう時代でした」と振り返り、「役者とは変態である」「僕は役者のときは超ドM。当たり前に叱られて当たり前に追い込まれて精神が崩壊するちょい手前くらいが気持ちいい」と演じることの快感を語っていたが、今回登場した役者も坂上同様に快感を覚えているということなのかもしれない。

 では坂上忍の理屈はわかったとして、それは坂上の半径数メートルの話。別の理屈で生きている俳優や女優、タレントにも同じ理屈を押し付け、『バイキング』などの番組では芸能界を飛び出して一般社会まで同様の論調で“斬る”ところに、違和感の正体があるのかもしれない。

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