政治・社会

夏目三久が日テレを退社した経緯がセクハラそのものだった

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夏目三久公式プロフィールより

夏目三久公式プロフィールより

 財務省の福田淳一元事務次官のセクハラ報道を端緒として、ようやく日本でも社会的議論となったセクハラ問題。4月25日放送『あさチャン』(TBS)で、フリーアナウンサーの夏目三久(33)も、自身のセクハラ被害体験を明かした。

 夏目三久は、「週刊新潮」(新潮社)の記事にあったような女性記者のセクハラ被害に近い体験を自分自身も経てきたと告白。

「かつて、取材相手からセクハラとも取れる言葉を受けたことはたびたびありました。その人については、取材する側も皆がもうそういう人なんだなぁと諦めて、私自身も声を上げるということが、イコール、“仕事が出来ない”“心が弱いヤツ”だと思われるのが怖くて、その時は皆が黙認しているという空気ができあがっていたんですね」

「今回の報道をきっかけに思ったのは、この黙認こそが、セクハラをはびこらせている一番の大きな要因になっているのではないかと思いました。ですので、女性男性ともに、一人一人がセクハラ問題を考えて、根本から意識を変える、そういう時代にきているのかなと強く思いました」

 マスコミという“男社会”で、“女だから”という理由で性的な好奇心に満ちた言動を不躾に投げられ、それでも“これだから女は”とバカにされないよう歯を食いしばり笑顔を見せる。そうしたことが女性に求められる環境こそが問題なのだと、彼女は力強く提言したのである。

 思えば、夏目三久がアナウンサーとして新卒入社した日本テレビを退社することになった経緯は、ひどいものだった。

 2007年に日本テレビへ入社した夏目三久は、10月にはもう昼の帯番組のアシスタントに抜擢され、アイドル的な扱いをされながらも順調に仕事をこなしていた。しかし2009年夏、写真週刊誌が「FLASH」が彼女のプライベート写真を掲載したことで好奇の目にさらされることになる。

 同誌が掲載したのは、交際していた男性とのツーショットやベッドのような場所に横たわり、避妊具の箱を握り締め、カメラに笑顔を向けている写真。一部読者に「清楚な女子アナがこんなエッチなものを手に微笑んでいるなんて」と大喜びされ、以降しばらくの間、夏目アナはネット上であたかも破廉恥コンテンツとして消費されるようになった。

 恋人と親密であることも、避妊することも、「清楚な女子アナ」も含め誰でもして当たり前の行動だが、彼女にそれは許されなかったらしい。正確には、その写真の流出が、許されないことだった。夏目三久は9月には出演番組を降板、閑職にまわされ、2011年に日本テレビを退社した。

 しかし件の写真を週刊誌に提出したのは、夏目三久ではない。彼女はプライベート写真を勝手に全国区にバラまかれた被害者だった。にもかかわらず、テレビ局は会社として彼女を守ろうとはしなかったようだ。異物として人目につかないよう隠し、排除したのである。彼女をかばう男性社員も、女性社員も、いなかったのだろうか?

 さらに「社内では陰口を叩かれ嘲笑されて針のむしろ」「居場所がない、辞めるのも時間の問題」という報道も多かった。彼女が悪いわけではないのに、世間からの「あ~あ、やっちゃったね」という視線がねっとり絡み付いていたことが非常に気持ち悪い案件だった。彼女の退社に至る経緯自体が、今思えばセクハラそのものだったのではないか。

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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