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麻生財務相「セクハラ罪はない」を繰り返す 厚労省は財務省のセクハラ対応をなぜ批判しないのか

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wikipediaより

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 麻生太郎財務相が4日、訪問先のフィリピンでの記者会見で福田淳一元財務事務次官のセクシュアルハラスメント問題について「セクハラ罪という罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと述べていたことがわかった。麻生氏は8日にも改めて同様の発言を繰り返している。法律で定められていなければ問題がないということにはならず、セクハラ被害を軽視しているように聞こえる発言で言語道断だ。

 「セクハラ」と一口に言っても実態はさまざまで、場合によっては、強制わいせつ罪など、現行の法律でも罪になり得るものもある。一方、現行の法律では捌けないセクハラが存在するのも事実ではある。だからといって「問題がない」というわけではないだろう。

 事業主にはセクハラに対して適切に対応することが男女雇用機会均等法にて義務付けられている厚生労働大臣の指針により事業主が講ずべき措置の内容が具体的に示されており、事業主はこれを必ず実施しなければならないのだ。事業主に向けてセクハラ対策の義務について分かりやすく説明されている『事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!!  』という資料も作成されている。省庁が異なるとは言え、財務相である麻生氏のこうした発言は看過できるものではない。

 今回の件に対する財務省の対応に問題があることはこれまでも数々指摘されてきた。改めてこれまでの財務省の組織としての対応を振り返り、厚生労働大臣の指針と照らし合わせてみたい。

 厚生労働大臣の指針では、事業主がセクハラ対策・対応として講ずべき措置の内容として以下の11項目が指針で示されている。

【事業主の方針の明確化及びその周知・啓発】

(1) 職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(2) セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

【相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備】

(3) 相談窓口をあらかじめ定めること。
(4) 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。
(5) 妊娠、出産等に関するハラスメント等の相談窓口と一体的に、職場におけるセクシュアルハラスメントの相談窓口を設置し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備することが望ましいこと。

【職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応】

(6) 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(7) 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
(8) 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
(9) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)

【1から3までの措置と併せて講ずべき措置】

(10) 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
(11) 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。

 「(6)事実関係を迅速かつ正確に確認すること」と「(9) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)」の項目に注目し財務省の対応についてみていきたい。

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