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『モンテ・クリスト伯』脱獄したのに堂々と動き回りすぎ!! 荒唐無稽すぎてハマる第2話レビュー

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『モンテ・クリスト伯』公式Twitterより

『モンテ・クリスト伯』公式Twitterより

 木曜22時枠の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯華麗なる復讐』(フジテレビ系)第2話が426日に放送された。初回の放送は視聴率5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とふるわなかったが、今後大化けする可能性を大いに感じさせる内容だった(最高だった初回のレビューはこちら)。第2話もその期待を裏切らない面白さである。といっても、前半、延々続く脱獄穴掘りシーンには息が苦しくなったが……第1話ラストでテロリストの嫌疑をかけられ異国で投獄され激しい拷問にかけられたおディーン様が見事に脱獄を果たし、これから復讐に手を染めていくと思うとワクワクする。

 警視庁公安部の刑事・入間公平(高橋克典)の保身のため、無実の罪でアデル共和国にて投獄された柴門暖(ディーン・フジオカ)。田舎の漁師町で遠洋漁業の漁師として生活していた暖が逮捕されたのは、最愛の女性・目黒すみれ(山本美月)との結婚式の日だった。

 暖は殺されることはなかったものの、そのまま8年の月日が流れた。精神と体力の限界が訪れようとしていたとき、地下牢の床から1人の男が顔を出す。看守への告げ口を封じるため暖を脅すその男は日本語が話せた。男を追って入った穴は、男の独房に通じていた。男の名はファリア真海(田中泯)。この国の元大統領だった。暖は自分が投獄された理由をファリアに尋ね、入間公平(高橋克典)や先輩漁師の神楽清(新井浩文)たちにハメられたことを知る。

 ファリアが掘り続けていた脱獄用の穴掘りを暖も手伝い始めた。その作業の過程で、暖はファリアからあらゆる知識と教養を得た。そして改めて日本へ帰ることや自分を嵌めた者たちへの復讐を誓う。

 トンネルを堀り続けて数年後。ついに脱獄可能な場所まで穴を掘り進んだ。だがここで老齢のファリアは力尽きてしまう。このときディーンの売りどころ・マルチリンガルが発揮され、唐突にイタリア語や中国語などいくつもの言語を使いながら最期の会話をした。

 ファリアの亡骸は麻袋に入れられ看守たちによって海に投げ捨てられるが、この中に暖が潜んでいた。麻袋をナイフで破り水面へ、ようやく自由を勝ち取った暖。こうして日本へ戻ってきた暖は、柴門恵(風吹ジュン)のもとを尋ねようとして倒れたところを、偶然通りかかった守尾信一朗(高杉真宙)に助けられる。暖が昔働いていた守尾漁業の跡取り息子だった。世話になった先代、守尾英一朗(木下ほうか)は病に伏していた。長きに渡る獄中生活で髪は伸び、ホームレスのような風貌になっていた暖に信一朗は食事や服を提供し、傷の手当てをした。

 ……ここまででもう、ものすごく面白いのだが、ものすごくツッコミどころも多い。なんでファリアは暖が投獄された理由(日本の漁師町の事情が絡んでるのに)に詳しいのか。ろくに水も食事も与えられずひたすら穴を掘り続ける体力を維持し、おまけにその環境下で何か国語もマスターするってどういうこと。ホームレスの容貌なのに暖はどうやって異国の海から日本の、しかも地元までたどり着くことができたのか。とんでもなく荒唐無稽な話であるが、美術が作り込まれているし演出もいい。

 さてさて、ふらり立ち寄ったスナックで、友人だった南条幸男(大倉忠義)が大スターとなり、人気料理研究家となったすみれと結婚したことを知った暖。そこにやってきた男(かつて暖がこの地で暮らしていた頃の先輩)を脅し、暖は真実を聞き出す。先輩漁師の神楽が「暖がヤベエ手紙持ってるから通報しよう」と提案したこと、そして親友だったはずの南条が警察に通報したこと。神楽は暖の生家の土地を、南条はすみれを奪い取るために冤罪を画策したのだ。

 全てを知った暖は、入院中である守尾漁業の社長・英一朗のところへ行くのだが、「どちら様ですか?」と気づいてもらえなかった。テロリストの疑いは晴れてなどいないし脱獄者の身でありながら、「俺だよ俺、気づいてよ」と言わんばかりの暖。切ない暖の心情を表すように、ディーンの歌う主題歌が流れる。そして暖は、生前のファリアから託された“あるもの”を使うことを決意。シンガポールの銀行の貸金庫に、先祖代々の財産を保管していたファリアは生前、暖にこの貸金庫を開くためのパスワードを伝えていた。暖はシンガポールに渡り、この貸金庫を開いた。

 髪を切りもせず、汚れた服装で、そしてパスポートもないだろうにどうやってシンガポールへ? いくらパスワード知っていたからといって、暖を疑いもせず大金の所有者として認めちゃう銀行は大丈夫? この人脱獄者だけど国際指名手配とかされてないの? アデル共和国はその辺の管理が超ずさん? そんなツッコミは野暮だ。楽しもう。

 2017年秋。英一朗が亡くなった。信一朗は会社をたたむことにしたが、負債は膨らんでおり、1億近い借金を抱えてしまっていた。葬儀を終えたとき、部屋の中にクリーニング済みの服があることに気づく。ポケットの中には暖からのお礼の手紙とともに、1億円の小切手が入っていた。

 英一郎の葬儀後、港で語らう南条と神楽。そこに現れた暖は、ホームレス状態だった頃とは別人のようなエグゼクティブに変貌していた。クルーザーで立ち去る暖。次回からいよいよ本格的な復讐劇が始まる……

 筆者はおディーン様のファンであるが、このドラマは、これまで主演作が軒並み微妙(視聴率的にも)だったおディーン様を生かす方策がしっかりと施されていると感じた。おディーン様の脇を固める他のキャストらの演技力が抜群なのだ。特に悪役トリオ、高橋&新井&大倉が抜群な悪人ぶりを発揮している。

 ハイスピードな展開により、視聴者が我に返ることなく荒唐無稽なストーリーを受け入れることができる。マルチぶりを発揮したがるおディーン様の悪癖はそのままで、やたらと外国語を話す場面があるほか、もちろん主題歌も歌っているが、作品としてのクオリティの高さで視聴率アップも十分見込めるのではないか。『モンテ・クリスト伯』は、山口達也の強制わいせつという、目を背けたい現実に直面しているジャニーズファンやTOKIOに憧れリスペクトしてきた老若男女にも、お勧めしたい現実逃避の手段だ。

ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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