社会

戸塚ヨットスクール校長の積極的な体罰論を垂れ流す『直撃!シンソウ坂上』

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 スタジオに登場した戸塚氏に、司会の坂上忍は「僕は、不快感ではなく理不尽は時に与えたほうがいいっていう考えはあるんですけど、あそこまで強くは言えないんですよね」と話を振る。すると戸塚氏は、VTR取材に応じた時と同様にマシンガントークを繰り広げる。

「あんたはね、不快感の意味がわかっていない。不快感とは恐怖、驚愕、怒り。怒りによる行動は正しい行動だから」
「今の子ども見てごらん。『褒めて伸ばせ』でいつも褒められるから謙虚さがなくなる、己がわからんようになる」
「叱った時に不快感が出るんじゃないの。その不快感で行動するから進歩するんだ」

 また、戸塚氏は訓練生のことを「理解しない」「うちは治してやろうとするから彼らを認めない。今のままではマズいから治すんだから」「人間性が低い」と貶め、“落ちこぼれの子供”の家庭の共通項として「父性が弱い」ことをあげる。

「父親が弱くて、あるいは母親がかかあ天下か」
「そうすると(母親が)愛で育てる? ちゃんちゃらおかしい」
「男の愛と女の愛は違うんだ。女性の愛は今なんだ。男の愛は将来なんだ。だからダメな子供を見た時に女の愛は“今かわいそう”で済む。男は“このままでは将来どうなる?”と考える」
「子供を甘やかして甘やかしてというのが女の本性やん」
「男が体罰しても子供は納得する」
「(体罰は)お父さんがせんといかん」
「(子供は親ではなく)マスゴミの被害者」

 戸塚氏はこのように、時に嘲笑しながらまくしたて、MCの坂上や、本仮屋ユイカ、キャシー中島らの反論に耳を傾ける様子もなかった。

 最終的に、過去の事件をどう思っているかを巡り坂上と口論になった戸塚氏は、「理解なんてせんでもええ!」「自分たちに何ができるんだ!」「響かんでもええ」と言い捨てた。戸塚ヨットスクールの卒業生のひとりが「(スクールは)大嫌いです」「潰れればいい」「最低限度の生活が保障されていない」「度が過ぎている」とスクールの在り様を批判していることに対しては、「やり過ぎって言っているやつはやり足らなかった」と一蹴。「服従しないと法律も守らない」「自分の努力でしか自分はちゃんとならん」「(今の子供は甘やかされているから)恐怖が来たらすぐ逃げる」「マスコミがちゃんと利口だったら俺は蘇る」と語り続け、坂上との舌戦は平行線で終わった。

 戸塚氏の人権を一切無視した教育論はただただ恐ろしく理解不能だが、彼がそれを信念にすることは自由で、戸塚ヨットスクールを頼る人が多少は存在することも事実だ。しかし、その主張を垂れ流してしまう番組、制作局の姿勢には疑問が募った。番組の最後には「あなたは戸塚宏氏の教育論、どう思いますか?」と視聴者に問題提起を呼び掛ける字幕が出ていたが、どう思うも何も、冒頭で記したように教育現場での体罰は禁止されている。中立的な立場をとって是非を議論させ、「あなたはどう思いますか?」と視聴者に投げるやり方は、たとえば「朝はパン派?米派?」というテーマなら成立するかもしれない。しかし体罰というテーマでは不適切だったのではないだろうか。

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