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性欲があっても友人関係にはなれると思う。『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子さんインタビュー

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「男が買い手/女が売り手」ではない、互いにジャッジする世界

 花田さんが使っていたサービスは、「知らない人と30分だけ会って話してみる」ことをコンセプトにしたもの。プロフィールを登録したあと、日時とだいたいの場所にメッセージを添えてアップすると、それに興味を持った人から連絡が届く。目的は異性との出会いに限らず、仕事や趣味の話をする前提でOKとされていた。

 とはいえ、花田さんが一人目、二人目にマッチングした人は、なんとかセックスの話に持ち込もうとする男性だった。そして4人目に出会った男性に、花田さんは思わぬ指摘をされる。「プロフィールをすごく変わった感じで書いているけど、あれはヤバいやつに見えるから変えたほうがいい」。職業欄には、「セクシー書店員」と書いていた。

――奇をてらったプロフィールを書いていたというあたり、たしかにインターネットをあまり使ってこなかった方なんだろうな、と思いました。

「そうそう、インターネット音痴で。何か目立つことを書いたほうがいいと思ってやっていました。そのときに会った人に言われたのが、『興味本位で会いに来る人もいると思うけど、正直自分も「変なやつが来たらどうしよう」と思ってちょっと怖かった』と。ふざけていたつもりが怖さを与えていた(笑)。サイトを見ていても、女性からの募集はすぐに埋まって、男性からのはなかなか埋まっていないようだったので、『女性ってラッキーだな』『それだったら結構やりやすいぞ』と思っていたんですが、そうでもなかった。男が買い手で女が売り手という市場ではなくて、お互いが試されているし見られている。ジャッジするのは自分だけじゃないんだ、と知りました」

――私はマッチングサービスや出会い系を使ったことがないので、花田さんの本を読んで、同性同士で会うのもOKだったり、このサービス自体をひとつのコミュニティと捉えて、ユーザー同士で横のつながりを持って自治的なことをしようとしている人がいたりすることに驚きました。

「すごく開かれた出会い系という感じでしたね。実際に会ったあとにお互いを評価するシステムがあって、そこでずっと高い評価をつけられ続けている人と会うのは安心だし、何回かマッチングが成立しているはずなのに誰からも評価を書かれていないのはヤバい人なんじゃないか、とかって判断ができたんです。要は、500人くらいのグループが、みんなで相手を変えていろんな人と会っているので、『この人はやめたほうがいい』とか『この人はすごく良い人だったからぜひ会ってほしい』みたいな情報は、わりと頻繁にやりとりされていました」

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