#Metooしたグラビア女優・石川優実が聞く、大切な「性的同意」のこと

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石川優実、「性的同意ハンドブック」と出会いました!

 みなさま、はじめまして。グラビア女優の石川優実と申します。2017年末、日本で#Metooが広まったころ、私も芸能界での露出の強要、性接待の強要などについて、告白の記事を書きました。記事はこちらです

>>#MeToo 私も」

 グラビアを始めてからいままで、ずっと悩んできたけれど公にはできないことでした。自分にとって恥ずかしいこと、みっともないことだったし、早く忘れたい出来事だったからです。なかったことにしたかった。しかし忘れられるわけはなく、それなりに幸せな日々を過ごしていても、ふと思い出し夜中に悲しくなって泣いたりして、どうしても解決方法を見つけられずにいました。

 そんななか、日本でも#Metooがついたツイートを目にするようになり、何気なく目を通していくと、私が10年間以上ずっと抱えてた思いと同じ種類のものであろう出来事や気持ちがそこにはたくさんあふれていました。

 いまなら私のこのつらかった経験も、聞いてもらえるんじゃないか。このような思いをしていたのは私ひとりじゃなかったんだ。何より、もう自分のようなつらい思いをする人が増えてほしくない。そんな思いで、ほとんど衝動的に先ほどの記事を書きました。とてもとても怖かったけど、書かずにはいられませんでした。

 公開した結果、さまざまな方からメッセージやコメント、反応をいただきました。それは私が予想していたものとはまったく違うものでした。「自分を責めないでください、あなたは悪くない。被害者です」そのような類のものをとても多くいただきました。

 そして私は、やっと自分が「性暴力の被害者だ」ということに気がつきました。私がされたことは、性暴力というものだということも初めて知りました。私は悲しんでもいいし、怒ってもいい。そう知って、心がとても楽になりました。忘れよう忘れようとしていた出来事を、やっと自分の中で消化できたのです。

性的同意について、知っていたかった

 たくさんの方に声をかけていただき、癒されていくなかで、私はいままで考えもしなかった「性暴力」というものについて、「男女平等」というものについて、「人権」というものについて、「ジェンダー」とは、「フェミニズム」とは……そのようなものに興味を持ちはじめました。

 私はとにかく無知です。無知ゆえに起きてしまった性被害だとも思います。もちろん悪いのは性暴力をする加害者ですが、高校を出てすぐの18歳ごろの私が、少しでも性についてのことを知っていたら、興味を持てていたら。こんなにつらい10年間を送らずに済んだのではないか。そのような思いから、遅くなってしまったけど勉強していこうと思った次第です。

 少しでも性被害が減りますように。すべての人が自分を大切にできますように。

 こうして性暴力に興味を持ちさまざまな記事や情報を読み漁っていたときに、このようなものに出会いました。

「性的同意(セクシャルコンセント)ハンドブック」。大学生に配るためクラウドファンディングを経て制作されたものですが、私の頭の中は???という感じでした。

 性的同意? コンセント? まったく意味がわからない。ただ、性暴力をなくすという目的があるんだろうなということは伝わってくる。実際に読んでみたところ、性的同意(セクシャルコンセント)とは「すべての性行為において確認されるべき同意」であり、「(性的な)アクションを起こす側が相手の同意をしっかりと取る責任がある」というものでした。

 私は、これさえしっかりと認識されていれば、たくさんの性被害に苦しむ人たちは救われるんじゃないか、被害の多くを防げるんじゃないかと思いました。このハンドブックには、性暴力で苦しまないための教えがすべて詰まっている! とも思いました。

 そしてそれを、大学生という若い方たちが広めようとがんばっている。一体なぜ、どんな思いで、どんな目的を持って活動されているんだろうと関心を持ちました。そこで、ハンドブックの制作に携わり、いまはそれを広める活動をされている4人の学生さんにインタビューをさせていただきました。

 自分の#Metoo活動に対する思いを重ねて。

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