こんにちは。グラビア女優の石川優実です。2017年末に#Metooの告白をして以来、性暴力やジェンダー、フェミニズムに関して日々興味を持つようになりました。
今回は、学生さんたちが制作し広めようとしている「性的同意(セクシャルコンセント)ハンドブック」についてうかがいました。性的同意(セクシャルコンセント)とは「すべての性行為において確認されるべき同意」であり、「(性的な)アクションを起こす側が相手の同意をしっかりと取る責任がある」というものです。
前篇では、みなさんがセクシャルコンセントを知ったきっかけや、海外でのセクシャルコンセントについてインタビューをしました。後篇はさらに深くセクシャルコンセントや実際の性暴力についてお話ししていただきました。
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ーー私自身がみなさんと同じ20歳前後のときって、いま思い返すとさまざまな性暴力に遭っていたなってわかるんですけど、当時はそうと気づかずに過ごしていたんですよね。世の中のほうをおかしいと思えずに、自分が悪いんだって苦しんでばかりで。いまみなさんの周りで性暴力が多いと感じますか?
由真さん:具体的に「こんなことされたことある?」って聞くと、「あった、あった!」みたいな感じで返ってきます。自分が経験したことを性暴力と認識してない場合が多いから、「性暴力被害に遭った経験ある?」だとあまり反応がないんですよ。具体的な例を出さないと、それがおかしいことだと気づかない人が多いですね。ちょっと話しただけでワーッとリアクションがあるので、みんな本当に性暴力被害の経験があるんだと実感します。
ユキさん:いま、出会いを目的としたマッチングアプリがあるじゃないですか。純粋な気持ちで会いにいったのに、相手がいわゆる“ヤリもく”といわれる人で、性的なことを求められた経験があります。あとは、友だちだと思ってカラオケに行ったらいきなり迫られたり、部屋に遊びに行ったらキスをされたりしたと聞いたこともあります。
海外からしか反応がなかった
ーー「性的同意(セクシャルコンセント)ハンドブック」を作るにあたって、周りの人の反響はどうでしたか? 特に性的同意というものに興味を持っていない人たちの反応は? 私も性暴力やセクハラの話をするときに、どうすれば興味のない人たちに届くのだろうと悩んでいるのですが……。
由真さん:興味がある人だけが反応してくれるので、興味ない人は本当にスルー。何も意見を交わすことはないですね。
かずまささん:この問題を重要視してない人たちに対しては、ハンドブックを手渡したところでなかなか認知されないと思いますね。だから、まずは関心を持った人たちが連帯をして、問題を重要視しない人たちのほうがマイノリティになるようにしていくのが一番の近道かなと。
由真さん:私は「第三者介入」が大事だと思います。性暴力が起きそう、起きるかもしれない現場に居合わせた第三者が未然に食い止めるべく働きかける、という考えです。何かあったときにちゃんとその場で、「いまの発言おかしいよね」と周りの人が言えるようになれば。自分より先輩に対してはアクションしにくいと思うので、周囲の同学年の人が言うようにするとか。そのためにも、いま興味がない人にこそ「セクシャル・コンセント」の考えを知ってほしいのですが。
ーー加害するかもしれない本人が変わらなくても、周りの人が変われば、被害が防げる可能性があるってことですね。その場で言われたら、本人も考えざるを得なくなりますもんね。それを聞くと第三者介入ってとても大事ですね。
ちひろさん:このハンドブックを一緒に作るメンバーをフェイスブックで募ったんです。投稿の内容は、「セクシャルコンセントを広める活動をしようと思っています。理由は、性暴力が大学でも起きたので。日本の性カルチャーではあんまり性について会話をされてなくて、だからこそ悩んでる人もいるので、これをきっかけにオープンになればいいなと思います」と。反応がよかったのは海外の人でした。応援してるよ、って。