秋元康先生からのメッセージ
この卒業コンサートでは、アンコール後、ステージ上のビジョンに、総合プロデューサーである秋元康からのメッセージが表示された。そこで秋元康は、バッシングにさらされていたデビュー当初の生駒里奈にインスパイアされ、2013年3月発売の5thシングル「君の名は希望」の歌詞を書いたのだ……というエピソードを告白。すると日本武道館には、どこからともなく同曲を歌う男性の声が聞こえてきたという。
「大人の男性が合唱しているかのような『君の名は希望』が聞こえてきて、会場は『なんだこれ?』という雰囲気になり、思わず失笑してしまう観客も少なくなかった。その歌声をきっかけにして自然発生的に会場全体が『君の名は希望』を合唱するという流れが意識されていたようなのですが、残念ながらそこまで盛り上がらなかった。つまり、この演出は失敗したわけです。あの歌声が運営サイドが仕掛けたものかどうかはわかりませんが、あまりにもわざとらしすぎ、少なくとも会場はまったくひとつになっていなかった。せっかくの“功労者”の卒業の舞台なのですから、こんなヘタな演出は控えるべきではなかったか、とさえ思ってしまいましたね」(前出・マスコミ関係者)
今回の卒業コンサートには、生駒里奈本人の意向も取り入れられていたといい、もしかしたら本人としては満足のいく“卒業式”であったのかもしれない。しかし、はた目には必ずしもそうとばかりは見えてはおらず、ファンは忸怩たる思いを抱えていたのではないだろうか。
多数のファンを抱える人気グループ乃木坂46だからこそ、問答無用の素晴らしいパフォーマンスを見せてほしかった。日本中で応援しているファンたちを悲しませないためにも、「なぜ生駒里奈という功労者が卒業を決断したのか」という点を、しっかり把握する必要があるだろう。
(青野ヒロミ)
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