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SHOWROOMの前田裕二社長とはいかなる人物か? 石原さとみとの沖縄旅行をスクープされたIT社長の苦難に満ちた半生

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 その結果、前田社長はUBS証券をやめて日本に帰国し、起業することになる。SHOWROOMのサイト立ち上げをめぐる苦労話などの詳細は『人生の勝算』を読んでいただきたいが、彼の半生を読んでいくと、SHOWROOMというシステム自体に、〈自らコントロールできない外部の問題によって、挑戦が阻害されたり、個人の能力に差が出ることが悔しい〉〈強い魂を持って何かに没入すれば、その差は撥ね除けられる〉という彼の人生観が強く投影されていることがわかる。

 SHOWROOM配信でファンとの強固な関係性を築くことによって大手芸能プロダクションに所属していなくともタレント活動でご飯を食べることができる人が出てくるかもしれないし、SHOWROOM配信でファンとのコミュニティを丁寧につくっていくことで広く世に出る機会を得られる人も出てくるかもしれない。

 そうした成功に結びつくには、オーディションなどの一発勝負でチャンスを勝ち取る「運」の要素や、芸能プロダクションやレコード会社や人脈といった「外部要因」の要素よりも、視聴者が楽しめる配信を日夜つくり続けてコミュニティを育てていく「コツコツした努力」の要素の方が大きい。

 SHOWROOMのシステムとアイドルのビジネスは抜群に相性が良いため、現在ではアイドルがメインのコンテンツとして受容されているが、「エンターテインメントの送り手と受け手の“関係性”に価値を見出す」というこのコンセプトは、なにもアイドルビジネスだけに限定されるものではない。音楽なのか、お笑いなのか、はたまたそれ以外のジャンルなのかはわからないが、今後SHOWROOMを通じて成功を掴む人が出てくるのかもしれない。そこで出てくるスターは、大手芸能プロダクションが主導してタレントをつくりだすシステムではすくいとれなかったタイプの才能であることだろう。

(倉野尾 実)

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