社会

ホワイトハウスからスターバックスまで~「強者」による「弱者」迫害と、自浄努力

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58日 コネチカット州 イェール大学院

 イェール大学院の寮の共用スペースで論文を書いていた黒人女性の学生(ロレイダ・シヨンボラ)は、真夜中過ぎにカウチで居眠りをしてしまう。白人女性の学生(サラ・ブラッシュ)が、「ここで寝てはいけない」「私には警察を呼ぶ権利がある」と携帯電話でシヨンボラの写真を撮り、大学の警察に通報。3人の警官がシヨンボラにIDの提示を求めるが、シヨンボラは「なぜ見せる必要があるのか」「私はこの部屋にいる権利がある。他の学生と同様、学費を払っている。私はここにおける私の存在の正当性を証明などしない」とIDの提示をあえて拒否するが、しばらくのちにIDを提示。

●イェール大学院は全学生に「人種偏見、差別、ハラスメント」についての声明をメメールにて送付。
●ブラッシュは以前に黒人の男子学生にも同様のことをした経歴があり、警察はブラッシュに訓告。
●シヨンボラはブラッシュへのなんらかの懲罰、または放校を希望。

510日 ノースカロライナ州ウォーソー

 ワッフル・ハウスにて、22歳の黒人男性(アンソニー・ウォール)が店員と口論となり、店員は警察に通報。駆け付けた警官はウォールの首を絞め、地面に投げ倒したのちも首を絞め、腕をひねり上げて逮捕。ウォールによると、口論の原因は店員の無礼な態度。ウォールの弁護士は、店員がウォールに対してゲイの蔑称を使ったと語る。ウォールは高校生の妹のプロムに付き添ったのち、妹や友人とともに食事のためにレストランを訪れていた。

●ウォーソー市長(黒人男性)とレストラン側はウォールにも非があると主張。

510日 ホワイトハウス

 ホワイトハウスでの会議にて、共和党の大物議員で大統領選への出馬歴もあるジョン・マケインが、トランプが指名したCIA長官の任命に反対票を投じたことが話し合われていた。マケインは81歳の高齢で脳腫瘍を患っており、病床からの投票。この件について、トランプの特別アシスタントのケリー・サンドラーが「どうでもいいわよ、どうせ死にかけてるんだから」と発言。会議は非公開のものだったが、参加者がリーク。

●発言に対してマケインの妻と娘が抗議し、政界での批判も高まったことからサンドラーは謝罪。しかし、ホワイトハウスはマケインへの公式謝罪を拒否し、サンドラーの解雇も行わず。
●ホワイトハウスは職員によるリークを防ぐために、個人携帯の使用禁止を検討。

511日 ウィスコンシン州 メイフェア

 ショッピング・モールの警備員から警察に「5人の男性が騒いでおり、応援が必要」と連絡。警官が到着した時点で男性たちはモールの駐車場におり、警官はなかの1人(氏名不詳、17)の顔を殴る。地面に倒れた少年を組み伏せたのちも警官は殴り、首を絞める。

●警察は、ビデオには少年が警官の質問を無視し、歩き去ろうとするシーンが収められていないとコメント。少年は警察署に連行されたのちに釈放。

511日 NRPラジオ

 トランプ政権の大統領首席補佐官のジョン・ケリーは、NPRラジオ(米公共ラジオ局)に出演し、不法移民についてのインタビューを受け、以下のように語った。

「不法入国者として合衆国にやってくる多くの人々は悪人ではない。犯罪者ではない。ギャングでもない。しかし、合衆国の近代的な社会に容易に同化できる人々でもない。多くは田舎の人々だ。4~6年生程度の教育が一般的である国々からだ。彼らは英語を話さず、これは明らかに大きな問題だ。彼らはうまく同化しない。彼らは(仕事に必要な)スキルを持たない」

 ケリーは大統領のトランプを含め、ホワイトハウス中枢メンバーの多くが政治経歴を持たず、かつ非常に不安定な言動を繰り返す中、冷静な言動が「ホワイトハウスの中の大人」と呼ばれる人物。加えて、前任者の唐突な辞任によって大統領首席補佐官となる前は、移民問題を扱う国土安全保障省の長官であった。そのケリーが、言葉遣いはマイルドながら移民(中南米出身者)への強い偏見を露わにし、強く批判されている。

●NPRラジオは2日後に移民を専門とする大学教授を番組に招き、ケリー発言「同化しない」「低い教育レベル」などへの具体的な反証をおこなった。

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