社会

レイシストにツイッターが正義の鉄槌!〜NYの憎悪弁護士がいかに追いつめられたか。

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Day 2(5月16日)

8:15am
NY在住の人権活動家/ジャーナリストのショーン・キングが上記のビデオをツイッターに転載し、フォロワーに男性についての情報を求める。

9:03am
キングのツイートを見たと思われるリベラル・ネットメディアの Raw Story が、この件を映像付きで報じる。

 キングは97万人のフォロワーを持ち、人種差別による加害者を徹底追及することで知られる。昨年のヴァージニア州シャーロッツヴィルでの白人至上主義者デモの日、黒人男性を殴打して重傷を負わせた数人の白人男性についても映像を元に情報を求めて特定し、逮捕、起訴につなげている。

 キングのツイートに対し、男性の大学時代の同窓生7人からのものを含む複数の情報提供リプライがあり、男性がマンハッタンに事務所を持つ弁護士のアーロン・ショロスバーグであることが判明。事務所の住所も公開された。

 さらにショロスバーグが過去に同様の人種差別をおこなった際の映像も被害者や目撃者から提供された。いずれも撮影当時はショロスバーグを個人的には特定しておらず、今回のビデオを見て「同一人物だ」と気付き、ネットに再掲載している。以下は、その2件の画像/映像。

●2017年5月

 パレスチナ支援者であるユダヤ教ラビ(宗教的指導者)を取り囲み、「フェイク・ユダヤ人!」とののしるトランプ支持者たち。中指を突き立てているのがショロスバーグ。

nakayubi

 ショロスバーグがトランプ支持者であることを知ったキングはリサーチをおこない、ショロスバーグが大統領選時にトランプに500ドルの寄付を行なっていることをツイート(寄付については連邦選挙委員会の公開情報であり、データベースは閲覧自由)。

●201610

 ニューヨーク在住の白人男性、ウィリー・モリス氏はマンハッタン5番街を歩いていた際、通りすがりの男から突然、「オレはアメリカ市民だ、お前は違う。醜いファッキン・ガイジンめ。ファック・ユー!」「警察を呼ぶぞ!」と詰め寄られる。モリス氏はアメリカ生まれの白人だが、外国人/移民と勘違いされたものと思われる。モリス氏は驚きながらも相手をビデオ撮影した後に立ち去り、映像をネットにアップ。

 今回のビデオを見てモリス氏も相手がショロスバーグであることに気付き、ヘイト批判のコメントを添えた画像を再度アップしている。

 以下はオリジナル映像。

2:01pm
キングがNY州法律家協会への苦情申請についてツイートしたため、同協会公式アカウントがリプライ。
キング氏:現在、ショロスバーグ氏は我々のメンバーではありません。我々は任意の所属メンバー団体です。正規の苦情を申し入れたい場合は以下に連絡を。(NY州苦情委員会サイトURL

3:19pm
ニューヨーク市長のビル・デブラシオがショロスバーグの名を出さず、しかしその言動を批判するツイート。
NY市の多様性は我々の強みです。多様性がこの都市を偉大にしているのです。860万人がこの都市を故郷と呼び、200以上の言語を話しています。全員がニューヨーカーであり、ここではその誰もが歓迎されるのです」

ニューヨーク市の人口の3割弱がラティーノ/ヒスパニックであり、市長はスペイン語話者ではないが、行政スピーチの一部をスペイン語でおこなうこともある。

5:49pm
マンハッタン/ブロンクス選出のエイドリアノ・エスパイラト下院議員が以下のツイート。
キング氏、NY州法律家協会:ショロスバーグの不品行の件に関し、正規の苦情申請をNY州苦情委員会に対し、おこないます」

 エスパイラト下院議員は子供の時期にドミニカ共和国からニューヨークに移住したスペイン語話者。不法滞在者であった時期があり、自称「米国史上初の元不法移民国会議員」。

 NYローカル・メディア、タブロイド・メディアのみならず、ニューヨーク・タイムズ、CNNといった大手メディアもこの件をショロスバーグの実名入りで報じる。

 Chang.org にて、ショロスバーグの弁護士ライセンス剥奪の署名運動開始。5/18現在、25,000人が署名。

 レビュー・サイトYelpのショロスバーグ事務所のページに抗議や非難の書き込みが大量になされたため、Yelp側は一時的にショロスバーグ支援コメントも含め、すべて削除。5/18現在、コメントは復活しているが、写真は閲覧不可となっている。

 グーグル・レビューではショロスバーグの法律事務所の業種が「メキシカン・レストラン」に書き換えられ、ショロスバーグがソンブレロを被ってメキシカン・レストランの前に立つ写真が添えられた。5/18現在、すべての写真が閲覧不可となっている。

Google Review

 ショロスバーグ法律事務所の公式サイトには「スペイン語での問い合わせもどうぞ」と書かれており、サイトの画像を使ったジョーク画像も多数作られた。

 ショロスバーグへの抗議行動として、ショロスバーグの自宅前でメキシコの伝統音楽「マリアッチ」の演奏をおこなうためのクラウド基金集めが開始される。2日で目標額の2倍の1,000ドルが集まる。マリアッチ・バンドは無料演奏を引き受けたため、基金は移民支援団体に寄付される。

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