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『ヘッドハンター』物語に何かが足りない時、小池栄子の演技が味の決め手になる

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『ヘッドハンター』公式サイトより

 今回は『ヘッドハンター』(テレビ東京系・毎週月曜22時放送)に出演する小池栄子さんについて。ここ数年、彼女はエッジの効いた役が目立ちます。だから出演欄に『小池栄子』の名前を見つけるとちょっとワクワクしてしまうのです。ドラマを見ていて「何か足りないな」と感じる時に必要なのが彼女だと私は思います。例えば料理をしていても最後の味が決まらず、どうしようと迷った時にプラスするコクのような存在。それが小池さんなのです。

黒澤和樹(江口洋介)はサーチ会社社長であり、凄腕のヘッドハンター。企業からリクエストのあった人材を発掘して、転職へといざなう。黒澤はただ企業へのマッチングだけでなく、転職させた相手はとことん最後まで面倒を見るという熱意もある人間だ。対して業界大手『ブリッジ』の赤城響子(小池)は、自身のキャリアップを狙う、いわゆるやり手。2人は現場でかち合うこともしばしばあるが尊重、協力をしつつ今日もヘッドハンティングに向かう”

 まず“ヘッドハンティング”というレアなテーマに心をギュッと掴まれました。ドラマは一話完結で、毎回ひとりの転職や老舗旅館の再生など各案件をめぐって物語が進んでいきます。私の記憶が確かならば、この手のビジネスドラマは初の試み(記憶違いならごめんなさい)。最終的に物語の答えを出すのが殺人犯でも、不倫相手でもなくて“評価”だというところに見応えがあるんです。

「あなたにとって一番大切なものは何ですか?」
「(省略)それにこんな時代にしたのは、時代の良さ(バブル期)を自分たちの力量と勘違いして、そこから抜け出せないあなたたちだ」

 黒澤には毎回、いわゆる働き世代の3040代の味方になってくれるようなセリフがあります。そして今自分が働いている内容を一瞬、考えさせられる。

 同局の人気経済ドキュメンタリー番組『ガイアの夜明け』(火曜22時~)の司会、江口さん。「えぐっさん!」と呼びたくなるのは世代ゆえでしょうか……。毎週、仕事人の紹介をするえぐっさんだからこそ、役に説得力が伝わってくるではありませんか。

 ヘッドハンティングという言葉自体は知っていましたけど、フリーランスで長く働いていると縁遠くなってしまうもの。先日、久々に会った友人が転職をしたと聞き、どんな風に転職先を探したのかと聞くと「(以前の勤務先に)電話がかかってきて誘われた」とのこと。リアル黒澤がいるのだ、とさらにドラマを見るのが楽しくなりましたね。

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スナイパー小林/小林久乃

文筆家、編集者、エンタメ&テレビドラマ評(コラム)からの愛酒家。出版社2社で女性ファッション雑誌、情報誌の編集部員を経て、まんまとフリーランスに。ライターの先生や地方で講演と楽しいおしゃべり仕事もしてます。静岡県浜松市出身。アラフォーで正々堂々の独身を誇る…。

@hisano_k

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