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『モンテ・クリスト伯』稲森いずみはあまりに素晴らしい当たり役を与えられた!

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『モンテクリスト伯』公式Twitterより

『モンテクリスト伯』公式Twitterより

 木曜22時枠の連続テレビドラマ『モンテ・クリスト伯華麗なる復讐』(フジテレビ系)第6話が524日に放送された。初回の放送は視聴率5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、以降、第2回は5.7%、第3回は7.1%と右肩上がりを続けていたが、第4話、第5話では6.5%、5.3%と、小さな山のように下がり続けている。第4話で実の母と息子に近親相姦させるという鬼畜ぶりで話題をさらったが、第5話での落ち込みを見ると、鬼畜すぎてドン引きした視聴者が離れたのだろうか。そして前回はついに人が殺されてしまった。復讐は苛烈を極めている。

 というわけであらすじのおさらいをしよう。テロ組織のスパイ容疑をかけられ、無実の罪で異国に送られ投獄された柴門暖(ディーン・フジオカ)は、幸運なことに脱獄に成功したうえ莫大な富を得た。もとは田舎の漁師町で遠洋漁業の漁師として生活していた暖だが、逮捕されたのは親友の南条幸男(大倉忠義)、先輩漁師の神楽清(新井浩文)、そして警視庁公安部の刑事・入間公平(高橋克典)の三者による策略にはめられたためだった。このことを知った暖は、投資家モンテ・クリスト・真海(しんかい)として日本に現れ、緻密な計画に沿って彼らへの復讐をスタートさせる。

 暖が真海として復讐の相手たちと再会した時、彼らはそれぞれに輝かしい人生を送っていた。神楽は不動産業で財をなした成金社長。一方の幸男は香港で俳優修業をして今や売れっ子スターとなり日本芸能界で大活躍の人気者、ハリウッドからのオファーまで届いたらしい。おまけに暖(真海)の婚約者で結婚目前だった目黒すみれ(山本美月)の信頼と愛情を得て結婚、女児をもうけて幸せな家庭を築いている。漁港の近くで喫茶店を営んでいたすみれはすみれで、大人気の料理研究家になっていた。彼らは今時珍しいプール付きの大豪邸に住んでいる。ちなみに時代設定は2018年、暖がはめられたのは15年前だ。15年でこんな成金がかなうとは、ジャパニーズドリームである。

 さて、復讐の炎を燃やす真海はまず、神楽の妻である留美(稲森いずみ)を陥れ、死産だったはずが生きていた実の息子・安堂完治(葉山奨之)と性的な関係を結ばせた。前回は入間への復讐の仕込みの回だ。13年前に入間の元妻であり、娘である未蘭(岸井ゆきの)の実母が急死した。これが実は毒殺であり、犯人は入間の後妻・瑛理奈(山口紗弥加)であることを、(公安刑事の入間すら気づかなかったのに)なんと真海が見抜いていたのだ。真海は巧みに瑛理奈を操り、自身は直接関与することなく未蘭の婚約者である出口文矢(尾上寛之)を殺害させた。

 そして第6話! いや、その前にSNSをチェックだ。おディーン様の主演ドラマは公式SNS、特にインスタを充実させることで知られている(ファンの間で)。そしておディーン様直伝の広東語などを出演者が喋ったりすることもあれば、おディーン様が英語でプロモーションする場合もある。とにかく公式SNSはディーン色に染め上げられるのだ。今回も例外ではない。すみれがドーナツを食べながら中国語を喋るムービーなどがアップされているがこれはファンにとっては想定内である。最初はなんだか見ているだけで気恥ずかしかったが、もはやおディーン様主演のドラマはこのインスタを見るのが一つの楽しみになってしまっている自分がいる。

 さて、そんなモンテ・クリスト伯。なんと今回、神楽役の新井浩文とすみれ役の山本美月による副音声解説が入るというのである!!! もちろんインスタやツイッターで告知されていた。しびれる悪役ぶりを見せる新井、インスタはパチスロや麻雀の写真ばかりで完全なギャンブラーだが、どんな解説を聞かせてくれるのか……? ちょっと聞きながら視聴したのだがポケモンGO話に花が咲いており、怨念こもった復讐劇である本編がとても頭に入らない! 仕方なく副音声は一旦切ってストーリーを追おう。

稲森いずみを再評価せざるをえない流れ

 ある日、香港のタブロイド紙が、10数年前に失踪した有名俳優、ショーン・リー(ジョー・ナカムラ)家族が裏組織の『ヴァンパ』に殺害されたという新証言を掲載した。もちろん記事は真海が裏でネタを提供したものだ。この記事に、ショーン家族失踪当時の付き人が幸男だったことを知っていた神楽が食いつき、真海に接触した。神楽は現在、国有地取引のライバル社が幸男夫婦をイメージキャラクターに起用したことから、幸男の好感度を失墜させようと目論んでいる。それもお見通しの真海は神楽に、事件の資料を取り寄せて独自に調査していることを告げ、しかし「お見せすることはできません」と焦らす。餌をまいているわけである。

 その一方で、幸男もヴァンパからの接触を受ける。ここで幸男の香港時代がようやく明らかになった。かつてヴァンパに多額の借金をしていた幸男は、それを帳消しにするため、ショーン家族の留守宅にヴァンパを招き入れ宝飾品などを盗み出そうとしていた。ところが、そこにショーンたちが予想外に帰宅したため、ヴァンパのメンバーたちは夫婦を無惨に殴り倒し、幼い娘を人身売買の道具にしたのだ。

 幸男は、親友だったはずの暖(真海)のことも裏切っており、世話になったスターのことも裏切った。どこまでも弱い人間なのだろう。そんな暗い過去を思い起こしながら幸男がバーで酒を飲んでいると、やってきたのはヴァンパのボス、ダニー・ウォン(葉山ヒロ)たち。例の記事のリークは幸男によるものかと詰め寄るが、幸男は幸男で謎の脅し文句が書かれたファックスを受け取ったことを話すと、ダニーは、神楽の秘書である牛山(久保田悠来)が香港で幸男のことを調べていたと告げる。

 もう一人の悪人・神楽は、漁師時代の先輩でチンピラの寺角類(渋川清彦)が金の無心に来たことを逆手に取り、大金を与える代わりに、真海の屋敷にあるヴァンパによるショーン夫妻殺害事件の資料を撮影してくるよう命じる。寺門はこの仕事のために真海周辺を探っている時に、かつて刑務所で一緒だった安堂が留美と歩いているのを見かける。安堂も過去に盗みや詐欺を犯し服役していたのである。寺門に神楽の仕事を手伝わないかと誘われ、一度は断ったものの、借金がなかなか返せないため暴力を伴う返済要求を受けた安堂は、最終的に寺門に協力する。

 準備は整った、ということで真海が動きだす。留美を屋敷に呼び出し、安堂が服役していたこと、ヤミ金への借金の返済に追われていることがわかったと告げ、さらに、安堂は新生児の時に電話ボックスに捨てられていたという不幸な出自を告げる。留美はかつて死産したと思い込み愛人(=入間)が埋めたはずの赤ちゃんが安堂であると確信。近親相姦の嫌悪感で留美は衝撃を受けるかと思いきや、我が子が生きていたことを喜ぶ。これは真海にとっては意外な反応だったようだが、安堂が寺角とつるんでいることを伝え「悪の道に再び踏み込むのを止めるのは今しかない」と匂わせる。ここからラストまで、留美の見せ場が続いた。第1話から今回までの中で最も見ごたえのあるシーンなので、ここは是非ご覧いただきたい。

 女モードから母モードに切り替わった留美は、寺角と安堂を尾行し、二人が夜に真海の屋敷へ忍び込んだことを確認すると乱入。安堂を止めようとする。寺角は悪人モード全開となり留美を強姦しようとするが、さすがに良心の咎めた安堂が暴行を止めるべくふるった骨董品の武器が寺門の腹を貫通する……。留美と安堂は、死んだ(と思った)寺門を埋めて逃げ去る。彼らの去った後に悠然と現れた真海は、まだわずかに息はあるものの事切れようとしている寺門に、自分が真海ではなく柴門暖であることを告げるのであった……。今回もまたひとり、人が死んだ。徐々に、復讐のターゲットである3人に近づいていく……。

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ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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