政治・社会

元TOKIO・山口達也、事件発覚のタイミングが雑誌メディアに与えた影響【メディア定点観測】

【この記事のキーワード】
山口達也

2018年4月26日、記者会見で質問に答える山口達也。

「メディア定点観測」と銘打った本連載。毎回、特定のニュース・事件を取り上げ、新聞、雑誌、ネット等メディアを問わずその報じられ方をある程度の期間追いかけ、そこから見て取れるメディア報道の裏側に迫っていきたい。

 さて、第1回の今回は、やはりこれしかないだろう。日本中に衝撃を与えると共に、各メディアの報道姿勢を問われることとなった、元TOKIO・山口達也による強制わいせつ事件を取り上げたい。

 もはや書くまでもないことだろうが、山口達也は2018年4月下旬、自身がレギュラー出演するNHKの教養バラエティ番組『Rの法則』で共演していた女子高校生を自宅マンションに引き入れ無理やりキスをしたなどとして、強制わいせつの疑いで書類送検された。この事実を最初に報道したのは、当のNHKであった。

 NHKがどういった経緯でこの情報をキャッチしたのかは明らかにされていないが、周辺事情を知るマスコミ関係者はこう話す。

「NHKの社会部が警察筋から情報をつかみ、そのまま報じることとなったようです。NHKの番組に大きく関連している事件であるがゆえに、あえて報じないという選択肢もあったのかもしれませんが、仮に他社に先に報じられていたら、それこそ“隠蔽”を疑われてしまう。NHKとしては、そういったリスクを排除するという意味でも、最初に報じたのは賢明な判断だったといえるでしょう」

 スポーツ紙、テレビのワイドショーなどは、この事件を連日報じていたが、主に山口達也のアルコール依存症疑惑、女癖の悪さ、TOKIOの今後についてなどを扱うメディアが多かった。そんななかで、山口達也が「躁鬱病」(正式には『双極性障害』)に悩んでいたという独自の情報を報じたのが、「女性セブン」(小学館)だ。

「女性セブン」は2018年5月24日号(5月10日発売)で〈山口さんはアルコール依存症の疑いがあると報じられていますが、本当の病名は『双極性障害』、いわゆる『躁鬱病』だそうです。〉という音楽業界関係者のコメントを掲載している。同記事では、ほかにも〈山口さんは5年以上前から躁鬱に苦しみ、入院していたこともあった。〉という山口達也の知人のコメントを紹介し、精神的に不安定であるがゆえに酒に頼ることもあったと報じた。

「女性セブン」といえば、ジャニーズ事務所のタレントが表紙やグラビアを飾ることも多く、ジャニーズとは基本的に蜜月の関係にある。そのためむやみやたらにジャニーズのタレントを叩くような記事が掲載されることはまずなく、今回の報道についても、ジャニーズに対するなにがしかの“忖度”があったことは十分あり得よう。要は、山口達也が躁鬱病であるということになれば、「精神の病気だから仕方ない」という世論を喚起できる……というわけである。しかしこの見方に対し、ある芸能ライターはこう話す。

「ジャニーズ事務所は山口達也の“病名”などにについて正式にはなんの言及もしていませんが、少なくともジャニーズ側としては、『女性セブン』の報じた『躁鬱病』という言葉は使ってほしくなかったらしい。下手に病名などを前面に押し出すことで、ことをそれ以上あらだてたくなかったのでしょう。

 とはいえ『女性セブン』としても、きちんと取材をしたうえで出した記事であり、ジャニーズ側に配慮して取り下げるなどという選択肢はあり得ない。一見、蜜月に見える『女性セブン』とジャニーズですが、実はそう単純な話ではないですからね。

『女性セブン』はおそらく、ジャニーズタレントの熱愛スクープをいちばん多く報じている媒体。要は、仲はいいけどスクープでは引かないというのが『女性セブン』のスタンスなんです。とはいえジャニーズとの関係も大いに大事にしているので、他誌で報じられたジャニーズがらみのネガティブな報道に対する“フォロー記事”なんかを出してあげる、といったことはありますけどね」

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。