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海外18カ国の性教育トピックを比較 日本は「ハラスメント」指導が最低、共通課題は「性交の同意」

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Thinstock/Photo by Ildo Frazao

Thinkstock/Photo by Ildo Frazao

 株式会社TENGAが、性に関する大規模グローバル調査を実施、その結果を発表した。本調査は、ヨーロッパと北米、南米、アフリカ、アジアオセアニア地区の18カ国を網羅的に対象としており、18歳~74歳までの13039人にインターネットでのアンケートを実施したもの。なかでも興味深かったトピックスは、各国の性教育についてだった。

 子供の頃、または10代の頃に、学校で性教育を受けたかという設問に対して、「はい」と回答した割合がもっとも高かったのは台湾。日本は53%だった。

TENGA Global Self-Pleasure Report より

TENGA Global Self-Pleasure Report より

 さらに細かい性教育トピックスで、次のうち性教育の一部として取り上げられたトピックはどれだったか、という設問に注目したい。個人的な話になるが筆者の年齢は30代前半だが、小学校で生理のしくみを教わり、「思春期」「男女のからだのつくり」「妊娠」「セックス」「性病」については中高の保健体育の授業で説明を受けたものの、それ以外の「性交の同意」「マスターベーション」「性的暴行およびハラスメント」について授業で取り扱われた記憶はない。避妊については女性の体育教師が「とても大切なことだ」と一時間かけて詳しく教えてくれ、女性用避妊具やピルについても紹介されたことを記憶している。

 さて、調査に戻って年齢別のグラフを見てみると、1834歳の回答者は、35歳以上の世代よりも、これらの内容について性教育で習った経験を多く持つ。特に「性病/感染症」の伸びは大きい。また、「性交の同意」や「性的暴行およびハラスメント」についても性教育の授業で取り扱っている学校はあるということだ。

TENGA Global Self-Pleasure Report より

TENGA Global Self-Pleasure Report より

 世界的に見ると、「性病/性感染症」の割合が8割を超える国はケニア、南アフリカ共和国、メキシコ、ブラジル。「性的暴行およびハラスメント」は日本が突出して低く8%で、もっとも高いのは南アフリカ共和国の56%だった。「性交の同意」に関しては近年ようやく意識が高まってきたテーマであるためかどの国も低い傾向が見られるが、これも南アフリカ共和国は50%となっていた。

 積極的な性教育に対して「寝た子を起こす」とバッシングする政治家も未だにいるが、しかし情報のあふれるこの社会で、中学生、いや小学生だってもう「起きて」いる(=性に関する情報を得ている)。起きているにもかかわらず寝たふりを強いられ、必要な情報を与えられないとしたら、それはネグレクトに近いものではないだろうか。

 性について知ることは、自分自身がより安全で快適に人生を送ることに直結する。大切な相手を不用意に傷つけず守ることにもつながっていく。性と暴力を混同せず、また性と愛を無防備に一致させないための性教育を望む。

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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教科書にみる世界の性教育