「仕事を入れてくれない」は本当か?
あと、「マネージャーが仕事を入れてくれなかった」という点に関して。これもねえ、難しい問題なんですよ。休みがあると不安で、「とにかくなんでもいいからお仕事やらせてください!」と言って伸びるタイプと、逆に、やりたくない仕事、出たくない作品への出演だと途端にやる気をなくしてしまうタイプと、役者さんにもいろいろあって、そういうタイプを見極めつつ、そして会社としてその子をどう育てていきたいかという点も加味しながら、マネージャーも仕事を選んでいるわけです。
で、「うまくいけばスターになる!」というほど才能のあるタレントであったとしても、どんな仕事でも選ばずやらせてしまうと、結果としてそのタレントのやる気を失わせたり才能を疲弊させちゃったりするケースもある。ライジングプロダクションに所属していた、西内まりやとかね?
その点から考えると……能年玲奈ってなかなか難しそうでしょ? 「のん」名義でのいまのアーティスト活動やミュージシャン活動を見てみても、一目瞭然じゃないですか。いや、それが悪いということではなくて、だからこそ彼女は魅力があるし、彼女のそういう個性的な部分こそが彼女の才能の源泉なわけじゃないですか。だからこそ担当マネージャーさんは、いろいろと考えあぐねながら仕事を選んでいたと思うんですよね。だって、マネージャーがOKしたあとに本人が「やりたくない」「やる気が出ない」ということになってしまえば、それこそそのプロダクションの責任問題になってしまいますから。でもそれが、結果として能年玲奈本人から見たら、「仕事を入れてくれない」という見え方になっちゃっていた可能性は大いにあると思います。
でもですね、彼女が「週刊文春」の記者に直接話をしたのかどうかはわかりませんが、いずれにせよこうした事務所の内情を、一方的にメディアに暴露してしまうというのは、我々芸能界の内側にいる者からすれば、やはり受け入れがたいこと。だって、信義にもとる行為ですから。だから、現在のああいう多彩な活動を芸能界の端っこで続けていくことは可能だとは思うけど、残念ながら芸能界の保守本流である地上波のテレビなんかには、今後もまず出演はできないでしょうね……。
(第2回に続く)
1 2