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一年以上隠蔽されていた「いじめ聞き取り調査メモ」 神戸市教育委員会にも責任がある

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Thinkstock/Photo by Creatas Images

 201610月に神戸市垂水区で中学3年生の女子生徒が自殺していた事件で、同市教育委員会の首席指導主事が、学校側が行った聞き取り調査のメモを隠蔽するよう指示していたことが今月3日、明らかになった。市教委は、担当した幹部が独断で指示したものとし、組織的な関与を否定している。

 女子生徒が垂水区内の川で倒れているのが見つかったのは2016106日のこと。同月20日に市教委が設置した第三者委員会は、学校でのいじめの有無などの調査をはじめ、女子生徒が容姿を中傷されていたことや、足を引っ掛けられるといったいじめを受けていたことを認定する一方で、「自殺との直接的な原因は特定できない」とする報告書を20178月に発表している。

 この報告書について遺族は、いじめの背景が明確になっていないことなどを理由に追加調査を求めるが、第三者委は拒否。遺族は文部科学省や神戸市長に調査の継続などを求める申し入れを行っていた。

 その間に問題となっていたのが、今回市教委が隠蔽の指示を行っていたことを認めたメモの存在だ。これは事件発覚から5日後の20161011日に行われた聞き取り調査の中で、生徒6人が、いじめがあったことや、いじめていた生徒の名前などを証言した際に取られたメモである。

 遺族が情報開示で入手した学校の調査資料に聞き取り内容が反映されていないとして情報提供を求めたところ、資料の中にメモが含まれていなかった。改めて情報提供を求めるも、首席指導主事は前校長に「いまさら出すことはできない」と隠蔽を指示する。20173月に前校長は「(聞き取り調査について)記録として残していない」と文書で回答。神戸地裁が証拠保全決定を出した際にも、「腹をくくってください」と首席指導主事は前校長に対して再度隠蔽を指示していた。

 一方、第三者委は20178月にまとめた報告書の中に「(メモは)破棄された」と記載。 今年4月に現校長が市教委に提出したことでようやくメモの存在を認め、5月に市教委が委託した弁護士が当時の担当者にメモに関する聞き取り調査が開始され、隠蔽が明らかになった。女子生徒の自殺が発覚してから、すでに18カ月が経過している。

 第三者委は組織的な関与を否定しているが、文部科学省が20173月に公表した「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」には「教職員による手書きのメモの形式をとるものであっても、各地方公共団体等の文書管理規則の公文書(行政文書)に該当する場合があることにも留意する」と書かれている。組織的な関与があったにせよ、なかったにせよ、組織としての責任が問われて当然だろう。

 なお久元喜造神戸市長は、教育委員会の対応は適切ではないとして、市独自の再調査委員会を6月中に設置し再調査を行う方針を発表している。

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