月組公演『BADDY』に、宝塚“タブー破り”の悠久の歴史を学ぶ

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ぶっとんだことの繰り返しが、宝塚の“オーソドックス”に

 思えば宝塚をはじめとするミュージカル系の舞台では、「光と影」とか「善と悪」とかがテーマになりやすいのでしょうか。グッディがバッディのアジトを包囲するところとか、バッディとグッディの戦いが終わり舞台が一気に静かな空間になるシーンとか、私wojo、ところどころでミュージカル『レ・ミゼラブル』へのオマージュを感じました。『レ・ミゼラブル』でも、善と悪、貴族と平民、愛と死、等々、世の中に存在する普遍的な対照物の対比が描かれており、人間の無力さや愛おしさを強く感じさせられたものでした。

 宝塚は、1~1月半ごとに違う組で違う演目を上演するというシステムを取っているのですが、月組『BADDY』の次に公演するのは宙組。今回の宙組の公演もショーとお芝居の二本立てであり、ショーの題名は『シトラスの風-Sunrise-』。このショーを演出したのは、宝塚の中でも特にオーソドックスな舞台を作るとされる、巨匠・岡田敬二先生。岡田先生は「スポーツ報知」のインタビューで『BADDY』について聞かれ、「わざと伝統に反し、タブーに挑戦したんだと思うんです」「私もそういうこと(冒険)をやってきた。それまでシャンソンばかりだったのを、私はフォークソングとかロックンロールを使って作ってましたから」(2018年5月2日付け「スポーツ報知」)と、『BADDY』のぶっとんだ感じに理解を示されています。さすが巨匠、懐が深い!

 でも、入団55年目の巨匠も、若かりし頃はいろいろと新しいことに挑戦して、その頃はもしかしたらぶっとんでいると思われていて、でも今ではオーソドックスな演出家といわれる存在になられたのでしょうか。「大いなるマンネリ」とは、宝塚に対してよくいわれる言葉。でも宝塚は、きっとこうやって新しいことを積み重ねながら、宝塚の“オーソドックス”を作り続けてきたのかもしれません。だからこそ宝塚は、いつもいつも新鮮な感動を与えてくれるのでしょう。

 悠久なる宝塚の歴史の魅力にまで思いをはせることができた、今回の『BADDY』。この舞台を見すぎて金欠になったwojoは、節税対策としてふるさと納税で宝塚市に納税。その返礼品として、『BADDY』の舞台中継CDをいただくことにしました……。早く来ないかなあ。新しい勤務先の病院でも医局でガンガン聴いて、気持ちを盛り上げます。BADDY~! BADDY~! あ、でもwezzyさんではバッディのようにワルいことはせず、早めに原稿書かせていただきます、ハイ。

【今回の舞台紹介】
『ショー・テント・タカラヅカ BADDY(バッディ)―悪党(ヤツ)は月からやって来る―』

 2018年2月から5月にかけ、宝塚大劇場、東京宝塚劇場において月組によって上演。新進気鋭の演出家・上田久美子先生の手による、初のショー作品。
 全世界が平和に統一された近未来、地球首都・TAKARAZUKA-CITYに、月からオンボロなロケットで大悪党のバッディたちが乗り込んでくる。平和ボケした地球の人々がバッディたちによりかき乱され、挙句の果てにはタカラヅカ・ビッグシアターバンクから惑星予算を盗み出されてしまう……。
 そんなストーリーを、宝塚のショー形式に当てはめた斬新な作品。とくにフィナーレは圧巻。

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