高齢者の認知症による免許取消1800人超。自主返納者も42万人超まで増

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 昨年3月に施行された改正道路交通法。大きな改正は、75歳以上の運転手の認知機能検査が強化された点にある。施行から1年が経ち、検査によって認知症と診断され運転免許の取り消し、停止となった人が1892人に上ったことを警察庁が発表した。

 これまで75歳以上が免許を更新する際、認知機能検査を受けて認知症の恐れがあるとされた人のうち、一定の違反行為を犯していた人だけが医師の診断を受ける必要があった。しかし昨年の改正によって、認知症の恐れがあるとされた人すべてが専門医の診断の対象となり、臨時適性検査を受けなければならなくなった。

 今月7日に警察庁が発表た資料によれば、平成29312日から平成30331日までに認知機能検査を受験した人数は2105477人。そのうち認知症の恐れがあると判定された者の中から、2552人が自主返納をし、942人が免許失効。臨時適性検査を受けるか、診断書を提出するように命令された41486人のうち13563人が自主返納、3575人が免許失効している。

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警察庁資料より

 そして実際に医師の診断を受けた16470人のうち、1892人が免許の取り消し、停止を受けている。

 高齢者の運転免許の申請取消(自主返納)の件数はここ10年で右肩上がりに上昇している。75歳未満も含めると、平成29年度内で423800人が申請取消(自主返納)をしていた。一方、75歳以上の運転免許保有者数も年々増加傾向にあり、平成28年には513万人が運転免許を保有していた。

 近年、高齢者による交通事故等が多く報道されている。実際に平成18年から平成28年にかけての75歳以上の運転手による死亡事故件数は、死亡事故そのものが減少傾向にあることもあり、割合としては年々増加。75歳未満の運転手と比較すると、2倍近い件数にもなっている。しかし人口減少と超高齢社会の中、車で移動しなければ食料品や日用品を購入できない地域に住む、買い物難民の高齢者も存在する。高齢者による交通事故防止も含め、加速的に進む少子高齢化への対策が急務だ。

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