全国で825万人の買い物弱者、都市圏は10年で44%も増加

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 今月8日、農林水産省がいわゆる「買い物弱者」が全国に825万人いるという推計を発表した。生鮮食料品小売業、百貨店、総合スーパー、食料品スーパーおよびコンビニエンスストアの店舗まで、直線距離で500メートル以上、かつ65歳以上で、自動車を利用できない人を「食料品アクセス困難人口」として推計している。

 65歳以上の買い物弱者は調査毎に増加しており、2005年には678万人だったのが、2010年には55万人増の733万人に。2015年さらに約90万に増え、825万人となっている。2005年から21.6%も増加している。

 買い物弱者と聞くと、地方部や郊外を思い浮かべるが、地方圏よりもむしろ三大都市圏(東京、名古屋、大阪)のほうが増加数が多く、2005年に比べて44.1%も増えていた。75歳以上の買い物弱者でもそれらの傾向がみられるが、東京圏に限ると、2005年に比べて89.2%も増加している。

 一方、全国の「食料品アクセス困難人口の割合」を見ると、やはり地方圏で割合の高い地域が多いことがわかる。都市圏・東京圏で増加幅が大きいのは、地方圏よりも人口が多いためだろう。

 今月7日、警察庁は75歳以上の運転手で、認知症と診断され運転免許の取り消し・停止をされた人が1892人に上り、自主返納者も42万人超まで増えていることを発表した(高齢者の認知症による免許取消1800人超。自主返納者も42万人超まで増)。

 前述の通り、農林水産省の調査では「65歳以上で自動車を利用できない人」が買い物弱者の定義であり、今後運転免許の取り消し・停止処分をされる人が増えたり、自主返納者が増えた場合、買い物弱者も増えていくことが予想される。

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