DA PUMPは、“かわいいおっさんたち”ブームに乗って、次世代のSMAPになれるか?

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6月6日21時すぎ、池袋サンシャインシティ噴水広場でのリリースイベント後のショット。(DA PUMPメンバーDAICHIのTwitterより)

 2018年6月6日、男性7人組アイドルグループDA PUMPが3年8カ月ぶりのニューシングル「U.S.A.」(エイベックス)をリリースした。同曲は5月16日にYouTubeでMVが先行公開されて以降、3日間で100万回再生を突破。あえてB級な感じを狙ったような歌詞の世界観やDA PUMP不遇の歴史がハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)ファンに受けたのをきっかけに、「ダサかっこいい」とネットをにぎわせた。

 5月下旬から6月上旬にかけて関東各都県で行われたリリースイベントには、ハロプロファンなのになぜか参加する男性ファンが続出。SNSでは、握手会の際DA PUMPメンバーから直接「“コール”待ってます」と声をかけられたというハロプロファンの書き込みもあり、実際ライブでは女性アイドルのコンサートでしばしば聞かれる「L・O・V・E・ラブリーISSA!」「フワフワ」などのコールが飛んだという。

 その後SNSには、「U.S.A.」にそうしたコールの実際の文言を入れた動画が拡散。そして6月6日には、今回の「U.S.A.」プロモーションの“天王山”たるリリースイベントが、東京・池袋サンシャインシティ噴水広場で開催。すぐ近くにある池袋サンシャイン劇場でモーニング娘。’18の主演するミュージカルが行われることもあってか、これまで以上にハロプロファンの男性が続々と集結した。

 ハロプロファンは曲が始まるやいなや「オイ! オイ!」といった怒号を響かせ、それに合わせてDA PUMPファンの女性客も見よう見まねでそうしたコールを入れて合わせるなど、異なるアイドルのファン同士による相乗効果が生まれ、実に激アツな現場となったのであった。

 しかし、DA PUMPに対するハロプロファンの熱狂がここまで高まったのはなぜなのだろうか?

DA PUMPファンとハロプロファンは摩擦が起きなかった

 DA PUMPとハロプロの両方のファンだというAさん(30代女性)は、「ファン同士の摩擦が起きなかったからでは」と分析する。

「DA PUMPのファンは、ダンス・ミュージック系の文化圏に属する人が多いんです。わかりやすくいうと、クラブに行ってそうなお姉さんとかヤンママみたいな人たち。一方でハロプロファンは、いわゆるオタク層ですよね。両者は、普段は接点がないほどそれぞれの住んでいる世界が違うから、摩擦が起きなかったのではないかと。たぶん、DAPUMPファンにジャニーズファンみたいなオタクっぽい一派がいたら、ネット上で揉めてしまって、こんなには盛り上がらなかった気がするんですよね」

 だからこそ、ハロプロファンによる、女性アイドルを愛する男性ファン独特の“コール文化”は受け入れられ、リリースイベントでDA PUMPファンに「新鮮で楽しかった」といった評価を得たのだろうとAさん。

 同じく30代女性のDAPUMPファン・Bさんは、「DA PUMPのメンバーたちが、ハロプロファンの好みに合っていたのでは」と話す。Bさんは、ハロプロファンの友人たちがDA PUMPにハマる様子、そしてハロプロファンがDA PUMP「U.S.A.」を語る5ちゃんねるのスレッドをウォッチしているという。

「DA PUMPは、メンバーをキャラ付けしたり関係性を妄想して愛でたりできるから、ハロプロファンに刺さったのかなと感じましたね。DA PUMPのメンバーは実力重視で選出されている分、決してイケメンぞろいというわけではない(笑)。対してハロプロファンも、顔重視の乃木坂46や欅坂46をどこか下に見ていて、顔は粒ぞろいではないけど歌唱やダンスのスキルは高いハロプロを誇りに感じでいるところがあるじゃないですか。そうした共通点が、ハロプロファンがDA PUMPを楽しめた大きな要因なのではないかと」

 1997年デビューという長い歴史を誇る一方でメンバーの下積みが長く不遇をかこっていた時期があることも、共通点のひとつではないかとBさん。そのうえで、「ストリートダンスの世界でタイトルを取るなど各メンバーの経歴も個性的かつ実力重視。そうやって調べるほどに愛着がわくし、なんらかの点でハロプロファンの琴線に引っかかるポイントが見つかるのだろうなあと、5ちゃんのスレをひたすら眺めていて思いました(笑)」と語った。

ハロプロファンにとって、「生歌」はポイントが高い

 長年のハロプロファンであると同時にDA PUMPもずっとフォローしてきたという30代の男性Cさんも、こう語る。

「僕にとっては、DA PUMPもモーニング娘。も、中学時代のヒットスター。30~40代の人はみんなそう感じるんじゃないでしょうか。『LOVEマシーン』や『if…』だけは知ってる、みたいな。青春時代のスターが今も頑張ってるっていうのは、励まされますよね」

 モーニング娘。は1998年「モーニングコーヒー}(ONE UP MUSIC)でメジャーデビュー。1999年「LOVEマシーン」(zetima)でヒットを飛ばす。一方のDA PUMPは、1997年に「Feelin’ Good ~It’s PARADISE~」(エイベックス)でデビュー。2000年、「if…」(同)がヒット曲に。実際、当時は両者が歌番組で共演する機会も多く、1998年には共に、『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした。その後、両者は示し合わせたように2005年頃から長い不遇の時代を過ごし、浮沈はありつつもDA PUMPは2017年に、モーニング娘。は2018年にデビュー20周年を迎えたのである。

「『まだいたの?』っていわれることも多いけど、スキルだけは高い。踊っていても決してブレないISSAさんの歌声やメンバーたちのダンススキルの高さは、まさにハロプロ的。ハロプロファンにとっては特に、『生歌』はすごくポイントが高い。AKB48グループは、基本的には口パクですからね」(Cさん)

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