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『ズートピア』を何度でも繰り返し見たい理由

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日本テレビ『金曜ロードSHOW!』公式Twitterより

日本テレビ『金曜ロードSHOW!』公式Twitterより

 ディズニーの大ヒット映画『ズートピア』が、6月15日夜9時より『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)で放送される。2016年に日本公開された洋画で国内ナンバーワンのヒットを記録した同作。日本での興行収入は70億円超、全世界では10億ドルも突破した。日本でのこの記録は、歴代ディズニー作品の中で第7位となっており、これより上の作品は『モンスターズ・インク』シリーズ、『ファインディング・ニモ』、『トイ・ストーリー3』、『アナと雪の女王』などがある。全世界で10億ドルという興収は、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』には一歩及ばないものの、『ハリー・ポッターと賢者の石』や『ライオン・キング』より上という凄まじい記録だ。

 肉食動物と草食動物が現代の人間のような生活習慣で暮らす楽園・ズートピアが舞台のファンタジーアドベンチャーで、一見すると子供向けではないかと侮っていた観客もいるかもしれない。しかし、ただ可愛い動物を観て楽しむだけの作品では全くなかったことはご存知の通りだ。「警察官になれるのは、サイやカバなどタフな動物だけ」といった差別的な慣習があるほか、動物たちはお互いに偏見を抱えている。主人公は女性のウサギとして初の警察官に就任したジュディ・ホップス。「可愛い」と言われて困惑し、「ウサギのくせに」と蔑まれて発奮する溌剌としたヒーローだが、彼女の活躍ですべて事件が解決するかというと物語はそう単純ではない。

 わかりやすい正義VS悪の構図ではなく、善良で正義感の強い主人公・ジュディだって「偏見を持たない正しい存在」ではない。誰だって愚かだ。一面的な描き方にはまることなく、様々な角度からの考察を促す物語構造は、評論家だけでなく一般の観客に「自分たちが今生きている社会」について深く考える機会をもたらした。制作にあたってはディズニースタッフの精鋭が参加し、監督3人、脚本家7人というビッグプロジェクトだったが、あらゆる議論と検証が重ねられたことは想像に難くない。

 『ズートピア』の公開は2016年だったが、その後、アメリカはドナルド・トランプが大統領選に勝利し政権をとった。日本はネット上でもヘイトスピーチが蔓延し、愛国心と排他主義が一体化しつつある。自らの愚かさには目を向けずに、他者を断罪する空気が広がってはいないだろうか。だからこそ今、改めて『ズートピア』から学べることは大きい。

 ちなみに主人公は警察官になったばかりの頃、駐車違反の切符をきる仕事を言い渡されるが、これが“ウサギ差別”だと不服そうにする。「こんな簡単でつまらない仕事を……」ということだが、「この行動こそ一種の職業差別では?」と鑑賞者からツッコミの声もあったりした。『ズートピア』は奥が深い。つまり何度見ても楽しめる作品だ。

(ボンゾ)

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