エンタメ

リリー・フランキーが『そして父になる』で見せた演技はスティーブン・スピルバーグ監督をも魅了した

【この記事のキーワード】
リリー・フランキーが『そして父になる』で見せた演技はスティーブン・スピルバーグ監督をも魅了したの画像1

『そして父になる』(アミューズソフトエンタテインメント)

 本日(616日)の2130分よりフジテレビ系にて、是枝裕和監督作品『そして父になる』が放送される。2013年に公開された『そして父になる』は、第66回カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞した作品。32億円の興業収入を記録し、これまでの是枝監督作品のなかでは最高の成績を記録していた。先月行われた第70回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞した『万引き家族』(68日公開)は、それを上回る動員が見込まれているが、この『そして父になる』から是枝組に参加し、是枝監督の映画には欠かせない俳優となったのが、リリー・フランキーである。

 『そして父になる』は、子どもが小学生になるタイミングで出生時に赤ちゃんの取り違えが起きていたことが発覚した二組の家族の物語。リリー・フランキーは、赤ちゃんを間違えられた家族の父親で、小さな電機店を営む斎木雄大を演じた。これ以降リリー・フランキーは、『海街diary』(2015年)、『海よりもまだ深く』(2016年)、そして『万引き家族』に出演。2017年公開『三度目の殺人』を除くすべての是枝作品に出演している。

 『そして父になる』とほぼ同時期には、白石和彌監督の『凶悪』にも出演(公開は1週間違い)。『そして父になる』では家族思いで優しい父親役、『凶悪』では冷徹な殺人鬼役と、180度真逆の役柄を見事に演じきったことで、第35回ヨコハマ映画祭や第87回キネマ旬報ベスト・テンで助演男優賞を受賞。ここでの仕事と評価が、リリー・フランキーの俳優としてのキャリアを、またひとつ上のステージに押し上げた。

 是枝裕和監督は『そして父になる』でのリリーの演技を<ひとことで言うと化け物>(ウェブサイト「ぴあ映画生活」)と絶賛しているが、実は他にも超大物の映画人がリリーの演技を絶賛している。

 まずは、樹木希林。樹木希林は『そして父になる』のなかで、取り違えられた家族の妻・野々宮みどり(尾野真千子)の母・石関里子役を演じ、リリーとの共演シーンも少しだけある。この二人は『万引き家族』でも共演しているが、『そして父になる』のリリーを見て<あんたみたいなのが出てきたら、私たち俳優は困るのよ>と、いかにも樹木希林らしい称賛の言葉を投げかけていたらしい。ウェブサイト「映画 Movie Walker」のインタビューで是枝監督は、樹木希林から聞いた俳優リリー・フランキーの評価をこのように紹介している。

<『そして父になる』の時に希林さんがリリーさんに『あんたみたいなのが出てきたら、私たち俳優は困るのよ』と言っていました。どういうことかと言うと、『プロじゃない』というスタンスを確保しながら、『なにもしないことが映画においては一番強い』という一番難しいことをさらりとこなしてくる>

 『そして父になる』は、スティーブン・スピルバーグ監督が創立者のひとりとして名を連ねる映画製作会社のドリームワークスとリメイク権の契約を交わしている。その縁で是枝監督とスピルバーグ監督は対談を行っているのだが、スピルバーグ監督が注目したのも、リリー・フランキーだった。彼はこのように語っている。

<それにしても、みんな役者もよかったなぁ。父親は二人ともよかったけれど、特にpoor father(引用者注:リリー演じる斎木雄大のこと)はよかったなぁ。彼は評判高い役者なの?>(ウェブサイト「ナリナリドットコム」)

 是枝監督の次回作は、カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュが母娘役を演じるフランス語作品だと報じられている。また、「今後撮りたい題材」として是枝監督は、戦前戦中の満州を舞台とした満州映画協会の話をあげてもいる(201861日付日本経済新聞)。これから是枝監督とリリー・フランキーのタッグでどんな映画がつくられていくのか楽しみだ。

(倉野尾 実)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

そして父になる DVDスタンダード・エディション