6割の労働者が人事評価制度に「不公平」不満、評価者との齟齬

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 総合人事・人財サービスを展開するアデコ株式会社が618日、20代~60代の働く人を対象に「人事評価制度」に関するアンケート結果を発表。「あなたはお勤め先の人事評価制度に満足していますか」という質問に、24.0%が「不満」、38.3%が「どちらかというと不満」と回答し、約6割が現行の人事制度に不満を感じていることがわかった。

 不満に感じる理由の中で最も多かったのが、「評価基準が不明確」(62.8%)という項目。2番目に多かったのは「評価者の価値観や経験によってばらつきが出て、不公平だと感じる」(45.2%)で、曖昧な評価基準や評価者の評価方法への不満が大きい。

 一方で、部下やメンバーを評価する立場にある評価者を対象にした「自分が適切な評価を行えていると思いますか」という質問に、16.8%が「そう思う」、61.0%が「どちらかと言えばそう思う」と回答。実に8割近い評価者が、自身が下す評価は妥当であると考えている。評価する側とされる側に大きな齟齬が発生していることがわかる。

 もし社内で評価基準が明確化され、評価方法も明文化されたとしても、評価者が適切な評価を下せるかどうかはわからない。ビジネスニュースサイトBusiness Insider Japanが実施した「ミレニアル世代の残業リアルアンケート」 で、会社員488人を対象に「なぜ残業が発生すると思うか」を尋ねた結果、「仕事量が多い」が最も多かった。仕事量が多いということは、それだけ各仕事の評価が難しいと言え、納得のいく評価基準をどのように設定するかがまず大きな課題となる。また、評価者自身も専念しなければいけない仕事が多く、人事評価にあまり時間を割けないという可能性もあるだろう。

 さらに、テレワークや時短勤務など様々な働き方が認められるようになり、均一的な人事評価を設けることは非常に難しいのではないか。営業成績などの数字で人を見ることは容易だとしても、今度は目に見える数字だけで判断して良いのかという問題が出る。人事評価は仕事へのモチベーションや会社へのエンゲージメントに大きく寄与する。明瞭でありながら柔軟性のある評価軸が求められる時代かもしれない。

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