家事負担は「夫2.0割:妻8.0割」 ずいぶん低い家事シェア率

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Thinkstock/Photo by Vasyl Dolmatov

 大和ハウス工業株式会社は620日、3040代の既婚者男女9700人を対象に家事負担の現状を調査した結果を発表。それによれば、妻が7割以上の家事を負担している家庭が、80%を超えていることがわかった。また、理想の家事シェアの割合は「夫3.2:妻6.8」だが、現状は「夫2.0割:妻8.0割」と大きな開きが見られる。

 男女雇用機会均等法の施行から32年が経過し、政府が「女性の活躍」を推進するようになって久しい今、理想の家事シェアの割合は「夫5:妻5」、せめて「夫4:妻6」くらいでもおかしくなさそうだが、理想でも妻の家事負担は夫より多く、実際は女性の負担がかなり高い。

 国税庁が発表した2016年の平均年収は、男性が521.1万円、女性が279.7万円だった。夫婦間の収入格差から、妻は「家事は私が多くしなくては」という意識を持つ妻も少なくないだろう。

 また、総務省統計局が2017年、女性の家事時間を調査したところ、1996年が2時間37分なのに対し、2016年は2時間24分だった。20年前より専業主婦の数が減り、共働き夫婦が増えたのに、家事時間の変化はほとんど見られない。

 ただ、夫の家事負担が現状より約1割高まれば理想に近づく。しかし、そのたった1を引き上げることが難しいのかもしれない。同社は昨年にも2040代の子持ちの共働き夫婦600人を対象に、家事負担の割合に関する調査を実施しているが、それによると、妻の認識は「夫1:妻9」(37.3%)がトップで、次が「夫2:妻8」(22.3%)。夫の認識は「夫3:妻7」(27.0%)がトップで、夫婦間の認識のズレが明らかになっている。そのため、妻が家事の分担を相談しても「俺だって家事はしてる」との反論につながり、平行線……という家庭も多いのではないだろうか。また、就労環境によっては、長時間労働に追われ、家事をする時間の余裕がないという夫もいるだろう。

 また、同社は、家事分担比率が「夫4:妻6」「夫5:妻5」「夫6:妻4」の夫婦を家事シェア層とし、それ以外を非家事シェア層と分類。家事シェア夫婦200人と非家事シェア夫婦200人にアンケート調査を実施した。その結果、家事シェア夫婦は、得意不得意や作業ペースなどを話し合い、家事シェアを上手く実践していること、さらに、非家事シェア夫婦と比べ生活満足度が高いことがわかった。

 前述したように非家事シェア夫婦には双方の認識の違いや、そもそもの就労環境がしんどいなどの問題もあると予想されることから、家事シェア夫婦のほうが生活満足度が高いという結果には納得がいく。

 各家庭ごとにベターなバランスはそれぞれ異なるだろうが、「理想」と「現実」のギャップを埋めるには、夫婦で価値観のすりあわせをすると同時に、働き方から見直さなければいけないのだろう。

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