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早稲田大学・渡部直己教授のセクハラ報道。大学で横行するハラスメントの数々

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早稲田大学公式サイトより

 文芸評論家で早稲田大学の渡部直己教授が、同大学文学学術院の大学院生の女性にセクシュアルハラスメントを行っていたという報道について、同大学が今月20日「事実確認を踏まえ、厳正に対処する」というコメントを発表した。

 本件を報じた『プレジデント オンライン』によれば、被害女性は指導教官である渡部教授から食事に誘われ、高田馬場にある「カフェ コットンクラブ」で「おれの女になれ」と言われたという。同誌の取材に対し渡部教授は、『おれの女に』といった覚えはないが、過度な愛情の証明をしたと思う、という旨の回答をした上で、「教師としての資格はない。学校の処分をまって、身を処したい」としている。取材の中で「過去にそういう事例があったかは学校に説明します」とも話している(「早大名物教授「過度な求愛」セクハラ疑惑」)。

 早稲田大学が発表したコメントは以下の通り。

「一部メディアにおいて、本学教授によるセクシャル・ハラスメントに関する報道がされております。報道内容が事実であるとすれば、誠に遺憾です。本件につきまして、本学では調査委員会を設置し、事実確認を進めております。事実確認を踏まえ、厳正に対処する所存です。

また、当該報道において、本学ハラスメント防止室の対応についての記述がございました。本学としましては、ハラスメント防止に関する基本ポリシーのもと、所定の手続きに沿って対応しておりますが、今回のご指摘を真摯に受け止め、今後のあり方についても慎重に検討を進めてまいります」

 なお前出『プレジデントオンライン』の記事によれば、被害女性が渡部教授のハラスメントについて男性教授に相談をしたところ、被害女性にもスキがあったのでは、と言われ、渡部教授・大学側のメンツを保とうとするとする主旨の発言があったようだ。さらに被害女性から渡部教授の処分などを求められた同大学のハラスメント防止室は、難色を示すばかりか、ハラスメント被害者への配慮にかけた対応を行っていたとされている。

茨城大学、大阪大学、慶應でも

 学生に対する教員のセクハラ行為は度々報道されてきた。最近では今年5月に、茨城大学で、女子学生に対して長時間叱責するなどのアカデミック・ハラスメントを行ったとして、教育学部の男性教授が停職3カ月の懲戒処分が下されている。この教授は学生に対しセクハラ行為も行っていたという。

 また2月にも、大阪大学が、同大学の男性教授が研修室のスタッフに対し親睦会の参加を強制するなど、パワハラ、セクハラ、アカハラなどを行っていたとして、停職3カ月分の懲戒処分を発表。昨年には、慶應義塾大学の総合政策学部の教授が、学生を洗脳し不倫関係になっていたことが報じられ、論旨退職処分という事件もあった。

圧倒的な権力差の自覚を

 大学教員と学生には、圧倒的な権力差がある。たとえ教員が学生と「対等」に接しているつもりでも、冗談半分に性的な発言や学生を追い詰める発言を行えば、「ハラスメント」に抵触する可能性が高い。そもそも教育の場で、性的な発言を個人的に行うこと自体が不適切であり、指導の中で、性的な発言を個人的に投げかけることが必要になる場面がどのくらいあるだろうか。

 渡部教授からのセクハラ行為を報道した『プレジデント オンライン』の記事は最後に被害女性が、フェミニズムやジェンダー論を教えている大学で、ハラスメントが起きていること、ハラスメント防止の組織が機能していないことに絶望した、と述べていたことが書かれている。もっともな指摘である。wezzyで昨年8月に掲載した記事で、早稲田大学文化構想学部助教のトミヤマユキコ氏は<大学教員のほとんどが「何がセクハラか」ということもわかっていない>と発言しているが、学内におけるコンプライアンスの共有はすべての大学において急務であるだろう。

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