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『水曜日のダウンタウン』の警察騒動、「デッドボール」が出る理由の検証が必要

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『水曜日のダウンタウン』番組HPより

『水曜日のダウンタウン』番組HPより

 『水曜日のダウンタウン』(TBS)のお笑い芸人を連れ去る企画で、現場に居合わせた人から110番通報が相次ぎ、警視庁が番組関係者に厳重注意を行った問題。624日放送『ワイドナショー』(フジテレビ)で、松本人志がこの騒動についてコメントしたのだが、真摯な反省や検証を行おうという態度とはほど遠い言葉に、少なくない数の批判が巻き起こっている。

 この騒動は、522日に恵比寿駅付近でコロコロ・チキチキペッパーズのナダルを連れ去る場面を撮影していたところ、その拉致の一部始終を見ていた通行人が本当の拉致事件だと勘違いし、110番通報が相次いだとされている。通報を受け、誘拐の疑いで警察が捜査をしたところ、TBSの番組企画であることがわかり、警視庁は関係者に厳重注意を行った。TBS関係者は<警察と関係者にご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした。当該企画は見直しを検討しています。今後、再発防止に努めます>(621日付ニュースサイト「ハフポスト日本版」)とコメントを出している。

 ここで行われていたのは、『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)をモチーフにした「数珠つなぎ企画で1番過酷なのジョジョの鉄塔システム説」の収録であるとされている。これは、突然連れ去られて監禁された芸人が、別の芸人を番組の企画だと悟られずに呼び出すことに成功すれば脱出することができるという企画。530日放送回でも同様の企画を行っているが、そのときは新横浜駅前を歩くナダルを2人の男が強引に拘束したうえで車に押し込んでいる。カメラは遠巻きに撮っているため、道行く人からはテレビ番組の撮影に見えなくても不思議ではない。これを人通りの多い恵比寿の駅前でやれば、このような結果になるのも当然の帰結といえる。

 これに対し、松本人志はどのようにコメントしたのか?

 松本はまず、<これはもうイカンですよ。これはもう、全然もう、ホントにイカンですよ。イカンと思いますけれどもね、僕はちょっとあそこのスタッフが好きなのでね>と、番組スタッフ側の過失を認めつつも、彼らを擁護する言葉を残し、さらには、<いま考えているのは、浜田ひとりを降板させて。『水曜日のダウンタウン松本』っていう番組に。コストカッターにもなるでしょ>と、話を横に逸らすかのようなジョークを飛ばした。

 番組に関わるチーム一体となって再発防止に取り組み意思があるのかどうか疑わざるを得ないようなコメントだが、続く松本の発言を聴く限り、やはりどうも心もとない。

<本当に申し訳ないです。これはちゃんとやらないといけないんですが、言い訳をするつもりはないですが、ストレートにストライクを狙いにいく番組じゃないじゃないですか。なんかこうギリギリのところを狙いにいく。それだけにたまにデッドボールが出ちゃうんです。出ちゃうんですが、これは、ビーンボールではなくて、ちょっとすっぽぬけちゃうというか>

 松本の言おうとすることもわからなくはないが、かつては受け入れられていた(ように見えていた)人を傷つけたり、人に迷惑をかけても「お笑い」のためならなんでも許される、といった時代はとうに過ぎている。ボールの投げ方そのものを見つめ直さなくてはいけない時が来ているのだろう。だからこそ、『水曜日のダウンタウン』に限らず、多くのメディアに関わる関係者が、コンプライアンスやポリティカル・コレクトネスと向き合いながら、それでもどうすれば面白いモノをつくることができるかと切磋琢磨しているはずだ。

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