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「女子アナ」という言葉は消える 「好きな/嫌いな女性アナウンサー」企画に見る女性観の変容

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有働由美子『ウドウロク』新潮社

 627日発売の「週刊文春」(文藝春秋)に、アナウンサー人気ランキングが掲載された。2006年から今年で12回目となるこの人気企画、好きな女性アナウンサー1位には日本テレビの水卜麻美(31)がランクインし五連覇を果たした。3位には昨年の2位から1ランクダウンの加藤綾子(33)。夏目三久も昨年の3位から5位に下がった。

 テレビ朝日・宇賀なつみ(32)は昨年の10位から8位に上昇。財務省事務次官の女性記者に対するセクハラ問題を取り上げた『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)において「本当に女性の記者をなくせばいいとか、女を1人で行かせるのがいけないとか、そんな時間にとかいわれちゃうんですけど、そうじゃないですよね」と、セクハラをした財務事務次官ではなく女性記者が責められていた当時の現状に猛反発したことが「真摯さに感銘を受けた」と記事にはある。

 前回5位だったNHKの桑子真帆(31)は10位に。2位以下は昨年とはかなり様変わりしている。特に注目なのは有働由美子(49)が昨年の4位から2位に順位を上げたことだろう。2016年から続いてきた、ミト、カトパン、夏目の三強が崩れたことは注目に値する。

 有働が2位となった理由は「爽やかで、面白くて、かっこいい最強のアナウンサー」「アナウンサーだと忘れさせる気さくなトークが面白かった」など、女性アナウンサーがメディアに取り上げられる際の王道である見た目ではない。あくまでもアナウンサーとしての力量や、フリーに突如転身した引き際の見極めどきに、一目置かれていることがわかる。財務事務次官のセクハラ問題について真っ向から意見した宇賀なつみについてもその発言を気骨あると記事でも評価しており、やはり見た目だけではない意志を持った女性アナウンサーが評価されつつあるようだ。喜ばしいことである。

 ランキングからこうした変化が読み取れる以上に、このランキング企画自体に、昨年から異変が起きている。片鱗を見せたのは昨年68日号の同企画であった。これまで「好きな女子アナ」「嫌いな女子アナ」のみに絞ってアンケートを募集しランキングを発表していたのだが、昨年から「好きな男性アナ」「嫌いな男性アナ」も加わったのだ。さらに今年のランキングでは「女子アナ」表記が消滅し「女性アナ」へと変わった。

 これまで女性のアナウンサーについては「女子アナ」、男性アナウンサーについては単に「アナウンサー」という呼び方が一般化しており、メディアも世の中も、「女子アナ」をアナウンサーとしてではなく、テレビに華を添える存在として消費してきた。「週刊文春」の昨年から今年にかけての「女子アナ」の扱いの変化、そしてアナウンサーとしての力量や発言力を認める投票を受けてのランキング変動は、アナウンサーにとどまらず女性全体の立場の変容を表していると見ることもできる。これまでのように男性受けするファッション・若くて可愛い・スキがある女子のイメージをもたれてきた女性アナウンサーだが、その時代は終わろうとしているのではないだろうか。

(鼻咲ゆうみ)

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