声優事務所「青二プロダクション」が6月28日似、所属する人気女性声優・沢城みゆき(33)の産休を発表した。公式サイト内で、「今夏より、産前・産後休業、育児休業に入らせて頂くこととなりました。平素よりお世話になっております関係各位ならびに、応援して下さる皆様にはご迷惑、ご心配をお掛け致しますが、早期復帰を目指して参りますので、何卒ご高配を賜りますようお願い申し上げます」と告知した。
当然ファンからは祝福の声が上がったが、一部の間では「プロ意識が足りない」などの批判も飛び交う。というのも現在、彼女は4月から放送されているアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ系)に主人公・鬼太郎役で出演中。夏には峰不二子役で出演している『ルパン三世PART5』(日本テレビ系)の第2クールも控えている。そのため沢城みゆきの産休・育休には、「色々な仕事に穴を空けることになりそう」「今のタイミングで産休はどうなの?」といった懸念があるというわけだ。
しかしいくら声優が会社員と安易に比較はできない職業と言えど、世の中的に多くの業界で積極的に産休・育休を取得する動きが高まる中で、いまだこうした批判の声があることは残念極まりない。
声優の業界でみても、過去、林原めぐみ(51)が産休を取った際は、アニメ『ポケットモンスター』シリーズのムサシ役を平松晶子(50)が演じていた。『ONE PIECE』(フジテレビ系)ではナミ役の声優・岡村明美(49)が産休を取り、『名探偵コナン』の毛利蘭役でお馴染みの山崎和佳奈(53)が代役に。沢城みゆきも『それいけ! アンパンマン』(日本テレビ系)で、ショウ・ロン・ポー役の猪口有佳(40)が産休を取った時期に代役として起用されたことがある。女性声優が産休を取り、代役が立てられるのはよくあることなのだ。
妊娠はたとえ望んだとしても計画的にできるとは限らない。年齢による肉体的なリミットもある。また、避妊していても予期せず妊娠することはあり得る。妊娠期間の体調や胎児の状態も個人差が大きく、妊娠や出産を完璧にコントロールできるというのは幻想だ。「プロならば仕事を優先しろ」という言葉は、そうした現実を無視している。
6月1日に厚生労働省が発表した「人口動態統計」によると、昨年の“出生数”は94万6060人で過去最少を更新。いつ休んでも復帰できる社会基盤は徐々に整えられつつあるが、仕事と出産・育児をめぐる一般的な価値観のアップデートもさっさと進めていきたい。
(ボンゾ)