「BBCは反日!」BBCの伊藤詩織氏ドキュメンタリーを受け日本国内で起こった残念すぎる反応

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 72日放送『荻上チキ Session-22』(TBSラジオ)のなかで荻上チキ氏は<これが放送されたらされたで、またその番組の中で取り上げられてるような出来事というのがより濃縮された仕方で起こってるわけですね>と、本稿でこれまで述べてきた状況をまとめつつ、このように語っていた。

<やっぱり特定の個人の振る舞いの是非っていうものに矮小化されていって。で、結局この番組が訴えていたような、たとえば、「婦人警官とても少ないよね。女性警官とても少ないよね」とか。それから「レイプ被害にあった、性暴力の被害にあった人たちが訴える場所は少ないよね」とか。で、「いざ訴え出たら叩かれるような状況なんだよ」っていう風なドキュメンタリーをイギリスに紹介をしたら、「なんだ、そんな番組は!」と。「今回のケースについては彼女が悪いんだ!」みたいな形でバッシングが起きて。「それそれ。いま、やってるそれが『Japan’s Secret Shame』っていうこと報じられたんだよ」っていうことを、さらに上塗りしているような状況というのが出てきているわけですよ>

 『Japan’s Secret Shame』を受けて本当に議論されるべきテーマは、性暴力被害者ケアに関する制度の不備をどうするかという問題である。それにも関わらず、そういった建設的な議論にはいっさい進まず、結局、女性叩きに収斂し、挙げ句の果てには「BBCは反日」という、もはやため息しか出ないフレーズまで飛び出すにいたった。これを日本の恥ずべき現状と言わずして、どう言えばよいのだろう。

 性暴力被害そのものを根絶することは困難であっても、レイプキットをもっと使いやすくしたり、警察での取り調べの仕方を改善したりすれば、泣き寝入りせざるを得ない性暴力被害者は確実に減っていくだろう。何よりも、セカンドレイプを肯定する空気が変わっていき、被害者に押しつけられるスティグマの問題も解消に向かわせることが可能なはずだ。建設的な議論がなされることを切に願う。

(倉野尾 実)

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