伊藤詩織氏の告発に対する海外メディアと日本の主要メディアの扱い方の差が生み出してしまったもの

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 『Black Box』の「まえがき」で伊藤氏は、思い出したくない記憶と向き合い、苦しみながら本を書いた理由をこのように記している。

<想像もしていなかった出来事に対し、どう対処すればいいのか、最初はまったくわからなかった。

 しかし、今なら何が必要かわかる。そしてこれを実現するには、性暴力に関する社会的、法的システムを、同時に変えなければいけない>

<繰り返すが、私が本当に話したいのは、「起こったこと」そのものではない。

「どう起こらないようにするか」

「起こってしまった場合、どうしたら助け得ることができるのか」

 という未来の話である。それを話すために、あえて「過去に起こったこと」を話しているだけなのだ>

 前述したような「BBCは反日」発言や、セカンドレイプ的発言をポストした人たちに伊藤氏の真意は届いていないのではないだろうか。その状況をつくりだしてしまった要因のひとつに、日本の主要メディアが伊藤氏の問題をきちんと取り上げてこなかったことによる弊害は確実にある。いまからでも遅くない。建設的な議論をするための土壌をつくらなければならない。それこそがメディアの社会的な存在意義でもあるだろう。

(倉野尾 実)

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