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『義母と娘のブルース』グイグイのめり込ませる演出で二桁発進! 綾瀬はるかの際立つ存在感も再確認

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TBS『義母と娘のブルース』 オフィシャルサイトより

TBS『義母と娘のブルース』 オフィシャルサイトより

 710日に放送された連続ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の初回平均視聴率は、11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だった。二桁台にのり、好調なスタートをきったといえるだろう。主人公は32歳のビジネスウーマン・岩木亜希子(綾瀬はるか)で、50歳近い子持ちサラリーマン・宮本良一(竹野内豊)と再婚して専業主婦になり、小学生の娘・みゆき(横溝菜帆)とブルースな関係を育んでいくというストーリーの『義母と娘のブルース』。みゆきの実母は約3年前に死別している。初回は、亜希子を拒絶するみゆきが何とか彼女を受け入れ、父の再婚を認めるところまでが描かれた。

 ハートフルな母子の絆を描く感動モノかと思いきや、そう単純ではない。初回の時点では、なぜ良一が亜希子と再婚したがっているのか、どうしてイヤがるみゆきを強引に説得してまで母親を迎えようとしているのかは明かされず謎のままだったが、第二話でそのあたりの詳細がわかってくるだろう。

 そして綾瀬はるかの演じる亜希子という女性の異質なキャラクターが、ドラマのコメディ色をぐっと強めると同時に引き締めている。30代の若さで大手企業の部長職につき、何人もの部下を従え頼りにされる“戦国部長”の亜希子は、有能で接待術にも長け営業マンとしては百戦錬磨だ。プライベートの場面である良一やみゆきとのやりとりでも、ビジネス用語や孫子の兵法を説くなど、変人の側面も強いが、デキる部長は宴会芸も出来る。ラストシーンでは、みゆきを笑わせるべく感謝の腹芸を真顔で披露するという衝撃展開であった。

 これは綾瀬はるかでなければ務まらない役柄だったかもしれない。無能な天然ボケ女子を演じることもあれば、武闘派ヒーローとしてアクションもこなすなど、作品によってまったく違う顔を見せる綾瀬はるかの女優としての存在感は非常に大きい。

 原作漫画ではここから10年先まで話が進んでいくが、おそらくドラマもそうなるだろう。ドラマではみゆきのモノローグが挿入されるが、声の担当は幼少期を演じる横溝菜帆ではなく、成長してからのみゆきを演じる上白石萌歌となっている。また登場人物の使用している携帯電話はどれもガラケーでスマホが出て来ないあたり、10年前という舞台設定であることがうかがえる。

なぜ亜希子は母親になろうと決断したのか

 放送前は、「綾瀬はるかが初の母親役に挑戦」という触れ込みだったが、そのフレーズから連想するのは、優しげな母親像ではないだろうか。しかし亜希子は、多分彼女自身も屈折せざるを得ない幼少期を送っており、どのような態度でみゆきに接するのが母親として“正解”なのかわからない。手探りで試行錯誤し、親子の信頼関係を築いていく。だから「母親役」というよりは、「母親になる役」を演じ、その過程を視聴者は見ていくことになるのだろう。

 興味深いのは、この仕事一筋らしき女性・亜希子が、なぜ仕事をすっぱり辞め(宮本のことを愛しているわけではなさそうなのに)、母として専業主婦として生きようと決意したのかである。第一話で良一は、みゆきの拒絶に遭い苦戦する亜希子に「止めます? 結婚。そもそも亜希子さんにとって大してメリットがある話じゃないし」と言う。すると亜希子は、「私は私なりの大きなメリットを感じてこの結婚に取り組んでいるんです」と返すのだが、そのメリットとは一体何なのだろう。

 また、現状では“謎の男”として登場しているが、今後は亜希子と良一夫婦に大きく絡んでくることになるであろう佐藤健の存在も気になる。ストーリーが進むにつれて、うまく視聴者をのめりこませるタイプのドラマになるのではないだろうか。第二話にも期待したい。

(清水美早紀)

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