前田敦子はもう棒ではない? 前田敦子映画祭もありえる「女優」としての高い評価

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前田敦子 インスタグラムより

 AKB48卒業メンバーの中で、頭一つ抜けた活躍をしている存在といえば、間違いなく川栄李奈(23)だろう。CMやドラマなど引っ張りだこで、「川栄が一番の出世頭」「まさか川栄がここまで売れるとは」といった声が業界内で上がっている。エイベックスに所属したことが奏功しているのは間違いないだろう。他方、女優としてはこの人も忘れてはならない。AKB初代絶対センター・前田敦子(27)も、順調に女優としてのキャリアを積んでおり、なかなか凄いことになっている。

 振り返れば2011年、ビジネス本を実写化するという謎の試みだった主演映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』で、「第35回日本アカデミー賞 話題賞」を受賞した前田敦子。2012年には芥川賞作品を実写映画化した『苦役列車』で数々の賞を受賞し、順調なスタートを切った。同年にAKB48を卒業すると、翌2013年にホラー映画『クロユリ団地』で主演。その後も、ドラマ『ど根性ガエル』(日本テレビ系)、『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系)、『就活家族~きっと、うまくいく~』(テレビ朝日系)、映画『イニシエーション・ラブ』など、出演作は多岐にわたる。当初は「演技が下手」「棒読み」と酷評する観客も多かったが、主演した『毒島ゆり子のせきらら日記』などでは自然体で悪女を好演していた。

 特に『苦役列車』や『イニシエーション・ラブ』のような80年代設定の作品と前田敦子の相性は特に良いと評価されている。そんな前田敦子にとりわけ高い評価を与えているのは、黒沢清監督(62)だ。来年公開の黒沢清監督最新作『旅のおわり、世界のはじまり』では、前田敦子が主演を務める。すでにウズベキスタンでオールロケ撮影が行われ、5月末にクランクアップした同作だが、黒沢清監督は「ウズベキスタンといえば、前田敦子」と熱烈なオファーをかけていたそうだ。

 なぜ、ウズベキスタンといえば前田敦子なのかというと、話は2013年まで遡る。当時、前田敦子のシングル曲「セブンスコード」のミュージックビデオの制作を秋元康から依頼された黒沢清監督は、「前田敦子を東アジアでもなく欧米でもなく、その間あたりの日本から近いようで遠い文化に置くと、彼女の個性がとりわけ際立つのでは」と提言されたことを受け、ロシアのウラジオストックで撮影。異文化での彼女の存在感は、秋元の予想通りに強烈だったのだという。そのミュージックビデオは、『Seventh Code』のタイトルで60分の映画作品となり、なんと「第8回ローマ国際映画祭」で2冠に輝いている。

 7月10日配信の「映画.com」の記事によると、黒沢清監督は前田敦子に「役柄を一瞬で直感的につかんでその役のセリフなり、仕草なりを全く自然に表現できるのです。これは彼女の生まれ持った才能でしょう」「つまり天才ですね。一方、若いころからの訓練の成果なのか、仕事の現場では何ひとつ物怖じせず、躊躇もしません。そしてカメラに映ると、他の何物にも似ていない強烈な個性を発揮します。いやはや日本にも、もの凄い女優が出現しました」と賛辞を送っている。お世辞ではなく、本気だろう。黒沢監督は、制作は途中で頓挫してしまったものの、日中合作映画『一九〇五』でも前田敦子をメインキャストに配置。2017年公開の『散歩する侵略者』でも前田敦子を起用するなど、とにかく前田敦子の演技に惚れているようだ。

 前田敦子の映画好きは、AKB時代から有名で、本人も映画愛を公言してきた。2016年4月15日付のスポーツ報知にて、出演映画に関するインタビューを受けた前田は、「大好きな映画の仕事ができて幸せ。それだけでウハウハ」「憧れの女優は若尾文子さん。将来の夢は、ずっと映画に出続けて『前田敦子映画祭』のように名前が残る女優になることです」等と語っていたが、その夢を叶える道筋はすでに見えているのかもしれない。

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