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熱中症、若くても健康過信せず少しの体調不良でも用心を

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Thinstock/Photo by AntonioGuillem

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 連日の猛暑が続き、全国で熱中症による被害が相次いでいる。総務省消防庁の発表によると、今年7月9日~15日までの1週間に、熱中症で救急搬送されたのは全国で9,956人。うち、12人が死亡している。発生場所として最も多いのは住居(34.5%)で、外の炎天下や車内だけが危険なのではない。

 愛知県豊田市の公立小学校では7月17日、校外学習から戻った1年生の男児が、熱中症と見られる症状を訴え、病院に搬送されるも死亡するといういたましい事件が起こってしまった。同日午前中、1年生の児童たちは帽子を被り水筒を持参して、学校から約1キロ離れた公園に約20分かけて徒歩で向かい、約30分公園で遊び、再び徒歩で学校に戻ったという。亡くなった男児は、行きと帰りの道中で疲れたと訴えていたが、その場で水分補給の対応を行わなかったとされている。

 7月18日には、午後1時頃、大阪府枚方市養父東町の公立中学校のグラウンドで、レクリエーション活動のリレーをした後、生徒9人が熱中症の疑いで病院に搬送された。3人が重症で、うち1人は入院。7月19日には、熊本県熊本市中央区の県営野球場で、全国高校野球選手権の熊本大会を観戦していた観客らが熱中症の症状を相次いで訴え、119番があった。20人以上が熱中症を発症したと見られ、うち少なくとも15人が病院に搬送された。熊本市では同じ日、部活動で野外をランニングしていた女子生徒4人が、熱中症の疑いがあるとして病院に搬送されている。

 また、先週になるが7月13日には、滋賀県大津市の公立高校で、体育祭に参加中だった生徒12人が嘔吐や過呼吸の症状を訴え、うち3人が救急搬送されている。同日には大阪府岸和田市内の公立中学校でも、体育館で大縄跳びをしていた生徒9人が緊急搬送されている。

 気温だけが要因となるわけではない。7月19日午後2時半頃、北海道北斗市の農業高校で、体育大会を開催中のグラウンドにいた生徒14人が熱中症とみられる症状で病院に搬送されている。当時の現地の最高気温は25度だったといい、その気温だけを見れば過ごしやすそうな印象を抱くが、湿度が80%近くあったとみられている。

 相次ぐ学校での熱中症被害を受け、文部科学省は7月18日、各都道府県教育委員会に、熱中症防止のための適切な対応を求める通知を出した。部活動や校外学習を行う際は、こまめな水分・塩分補給や健康観察をし、熱中症の疑いのある症状が見られた場合は適切な応急手当てをすること、また気温・湿度に配慮し、活動の中止や延期、見直しなど柔軟な対応をすることを要請している。

 全国で半数に留まっている小中学校のエアコン設置を求める声も大きい。水筒持参を許容している学校でも中身は水や麦茶に限定しているところが多く、塩分補給や吸収促進に必要な糖分がとれないことや、低学年の生徒が適切なタイミングを自己判断できるのかなど、保護者の心配は尽きない。

 ただし熱中症の被害が心配なのは子供たちだけではない。先日の西日本豪雨で深刻な被害を受けた地域において、片づけを行っていた被災者やボランティアらが熱中症の疑いで相次いで搬送されている。また、高齢者が熱中症で自宅で死亡するケースも相次いでおり、自宅ならば必ず安全とは言い切れないのである。

 筆者自身も先日、日中に自宅で原稿を書いていて深刻な頭痛と吐き気に襲われた。安静にしてスポーツドリンクを大量に飲むことで翌朝には回復したが、後から調べてみればそのときに表れていた体調不良は中度の熱中症の症状そのものだった。もし仕事を中断せず、無理を押してやり続けていたら症状が深刻化していたかもしれないと思うと、ゾッとする。

 何かあってからでは遅い。若い人であっても決して健康を過信せず、日除けやエアコンの利用など積極的に予防策を講じておきたい。

 熱中症対策については、一般財団法人日本気象協会のwebサイト「熱中症ゼロへ」が参考になる。十分な休息を、と推奨されても「休めない」という人もいるだろうが、どんな仕事も命あってこそ。自分自身や家族の体をいたわる夏にしてほしい。

中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

バナナ&ストロベリー

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