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夫が妻を「お前あんまり調子にのるなよ」と恫喝するのは「よくあること」なのか

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Thinstock/Photo by itakayuki

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 実家である茨城県取手市の敷地に妻の遺体を埋めたとして、千葉県警は722日までに、銀行員の弥谷鷹仁(やたにたかひと)容疑者(36)とその母親で会社役員の弥谷恵美容疑者(63)を死体遺棄容疑で逮捕・送検した。鷹仁容疑者は「妻の首を絞めて殺害した」と説明しており殺人でも捜査が進んでいる。

 弥谷容疑者は「体調を崩した妻と生活することで、精神的に参っていた」と、その遺体を埋めた容疑者の母は「息子が苦しんでいた。助けてあげたかった」などと供述しているという。夫婦には幼い娘がおり、夫は「子育てをめぐりトラブルが多かった」とも述べている。殺された妻がSNSに投稿していたワンオペ育児ぶりも、すでに報道で取り上げられているが、具体的にどんなトラブルかも捜査の過程でおいおい明らかになるだろう。さて小町でも、子育てをめぐるトラブルとしてこんな相談が寄せられていた。

夫に殴られました

「先ほど初めて夫に殴られました まだ少し混乱しているので文章がめちゃくちゃでしたら申し訳ありません」

 一言目からこう切り出したトピ主(女性・専業主婦)。これは深刻そうだ。

 ここのところ生後10カ月になる子供の夜泣きがひどく、トピ主はまともに睡眠をとれていなかった。夫も同じ部屋で寝ているが夜泣き対応はせず、ごく稀に寝ぼけて起きすぐまた寝る。専業主婦のため昼間に子供と一緒に昼寝ができるときもあるが、家事が溜まってしまうので、あまり寝られることはない。

 そして「今日」。睡眠不足からなのかトピ主はいつも以上にイライラしていた。ただ、イライラしていた理由は子供に対してではなく、寝続けている夫に対してだった。そのうち「夫が起きてきて抱っこを変わるとぶっきらぼうに申し出てきたのでお願いしましたが一向に泣き止まず、結局私が抱くしかないんだなあ普段子供とあまり関わらないからこうなるんだ等と夫に対して不満がどんどんと出てきてしまいイライラが収まりませんでした」という。

 夫は夜泣き対応を代わろうとしたわけだが、子供はママでないと泣きやまない。なぜ泣きやまないのか、それは日頃から夫が子供の世話をしていないせいだ。そう考えてイライラしてしまうトピ主の気持ち、痛いほどわかるよという母親は少なくないのではなかろうか。

 しかし夫の沸点はやや低かった。突然「何イライラしてんだよ!」と怒鳴った夫に、トピ主もいつもなら黙ってやり過ごすが、「あなたに言ったところで分からない」と応戦してしまった。以下は、トピ主が覚えている限りのやり取りだ。

夫「お前あんまり調子にのるなよ?」
妻『意味がわからない』
夫「イライラしたってしょうがないだろうが」
妻『あなたは仕事で疲れたって言った相手に仕事なんだからしょうがないだろうって言われて頭にこないの?』
夫「わけわかんねーこと言ってんじゃねーぞ」怒鳴りベッドを蹴飛ばす
妻『そういうことするなら抱っこしなくていい』
夫「いやいい」
妻『いや、やめて』
夫「お前あんまり調子のんなよ」

 ここでトピ主は胸をチョップのような形で打たれそのまま胸ぐらを掴まれた。

「顔こそ殴られませんでしたが衝撃で息が出来なくなるほどの力ではありました。元々物に当たったり感情的になりやすい人間でしたがこんなことは初めてです。今回は大した怪我ではありませんが今までと同じように接する自信がありません。みなさまならどうされますか?」

という相談だ。

 夜泣きで寝ない時期、辛いのは本当によく分かる! 育児で寝られない辛さは筆者にとってトラウマになっている。特に生後1年まで本当に辛かった。夫や世間は「昼間に寝ればいいだろう」と軽々しく言うのだが、そんなことはほぼ不可能だったのだ。トピ主は家事がたまるので、ということを理由にしている。たしかにそれもあるが、昼間は意外と子供が起きているのである。しかも幸運にも子供が寝てくれた時、一緒に寝ようかなとベッドに子供を置くと起きる。また抱っこをして、家事も昼寝もできないまま子供をあやす。ある意味無間地獄だ。一緒にお昼寝はかなり難易度が高かった。筆者はあまりに眠れなくて妙に覚醒し、常に肌がビリビリと痺れる感覚を覚えていた。あれはなんだったのだろうか……。そんなところに仕事で疲れた夫が帰宅する。当然ながら夫は疲れた体を休めるためぐっすりと眠るのだが、自分は夜中に起きて泣く子供を抱っこして授乳したりあやしたりしなければならない。ベッドの脇に座り子供を抱っこしながら、ベッドで眠りこける夫を見て殺意を覚えたことは一度だけではない。真っ暗な部屋で夫を見つめながら、こいつ殺してやろうかとつぶやきすぐに後悔するのだが、そういう精神状態に置かれることもあるのが育児である。

 長々書いてしまったが育児で眠れない辛さは体験したことがなければ共有は難しい。なので夫婦間の溝は深まるばかりなのである。妻は、明らかに自分の方が辛いと思っているし、夫は、妻が育児に奮闘するなか自分が一馬力で金を稼ぐと張り切ってくれているため、当然疲れていて自分の方が大変だと思っている。相容れないのだ。

 なのでトピ主夫婦がこんな喧嘩に至った流れはとても理解できるが、理解できないのは夫の「お前あんまり調子にのるなよ?」発言だ。なんだこれは……? 個人的には夫がここでチョップ決めたのはナシだと考えるし、この喧嘩腰な言い草も夫婦の関係を悪化させるだけの無駄なものだと考える。深夜の喧嘩は無駄だ。週末にも夫は妻を寝かせるため子供を預かり、少し妻の体力が回復したところで、ゆっくり話し合いをするというのがベストだと思う。夫がこの捨て台詞を吐いたのはNGだろう……と思いきや、コメントでは賛否両論、トピ主批判も相次いだ。

「暴力という点ではご主人に若干の非がありますが、もともとトピ主さんがふっかけてるから、もう少し自分のしたこと見直した方がいいと思う」

「例えば今回の場合、疲れてるのに起きて来た旦那さんが子供をあやしてくれた
これ自体はいい事じゃん
ぶっきらぼうだったかも知れないけど、結果は出なかったかも知れないけど
旦那さんなりに行動してくれた
そこはありがとうでいいじゃない
寝てたのに起きて来て、子供をあやしてあげてたのに
やっぱ私じゃなきゃダメね、みたいにして取り上げたら
相手だって傷つくよ
それに今回もやらなきゃ次回だって上手くはいかないだろ」

「夫が暴力を振るったことはいけないことです。
でもケンカを売ったのはトピ主さんです。
あなたが先に謝るべきですね。
夫が働き妻が専業主婦なら、夜は夫に充分睡眠をとってもらいましょうよ。
私は狭いアパート暮らしでしたが、
子どもが生まれてからは夫には別の部屋に寝てもらいました。
子供の体調に心配がある時以外は、専業の私が全面的に見るべきだと思っていましたよ。
夜泣きが酷いうちは、家事は溜めていいこととそうでないことを分けて無理しない。
寝れる時に寝ておくんです。
自分の要領の悪さを棚に上げておいて夫にイライラをぶつけるなんて、
妻として失格ですよ」

「調子にのるな と普段から思われるような態度だったのかな?
私は育児が大変なのよ! みたいな感じで周りに当たり散らしてきたとか?
仕事をしている人に対してあなたより私の方が大変なのよ! という雰囲気をバンバン出してたとか?
今までが分からないから難しいけど、あなたも反省するところはありそうですね。
何度結婚しても離婚になる人っていますから反省は必要です」

「私の夫は激務なので我が家は所謂ワンオペ育児です。
夫には家ではゆっくりしてほしい。
そうでないと壊れてしまう。それほど忙しい。
その代わり家のことは私が全部やる覚悟でいる。夫の外で働く労力やストレスを考えたらどんなに寝不足でも比べ物にならない。
むしろ可愛い子供と今しかないこの瞬間をべったり過ごせることは幸せ。
ここには感謝しかありません。
でも、やっぱりよそと比べてしまうこともありました。
公園で子供と楽しく遊んであげている父親を見ると羨ましいなとか。
いまは小学生になった息子の勉強をみるのも私。いつも子供のことで心を痛めるのも私。
孤独を感じることもあります。
いやいやでも待てよと。
繰り返しになりますが、外で働くストレスを考えるとやはり天国のような生活じゃないか! と思い直したりします。
だって100%子供をみれる。
子供も私に特になついて、信頼を寄せてくれます。
ご主人の心の叫びは俺にもっと感謝しろ!!
この事につきると思います。
暴力はいけないけどあなたの態度もどうだったのか。
(略)
最後に、夫には家事育児一切の期待をしない。
これが専業主婦家庭の円満の秘訣かと思いますよ。
感謝して尽くす、そうすると夫婦仲良くなり、結果的に子供も幸せになれる気がします」

 みんな理不尽~~~~! さすが今年の酷暑でも公立学校のエアコン設置が遅々として進まない国である。根性論がまかり通っている。竹槍の時代から変わっていないのではないか?

 考えてもみてほしいが、夫は仕事が疲れても休めるが妻はそもそも全然眠れない(休みもない)のだ。金を生まない労働は労働ではないという考えなのかは知らないが、起き続ければ疲れるのだから妻を寝かせてあげてほしい。

 とはいえ、こうした批判に対して少なめではあるが、トピ主に寄り添うコメントもある。

「子育ての何がツライって、睡眠不足なんですよね。
子供と昼寝しても回復しない。
毎晩、夜泣きに起こされる地獄は経験しないと絶対に分からないと思います。
ご主人と寝室を別に出来ませんか?
横で熟睡している人に強い怒りが湧くのは当然ですよ。見ない方がマシと思うんですが。
後、家事は手抜き出来ませんか?
子育て中、埃で人は死なないって言いますよ。
期間限定で室内が滅茶苦茶になってもいいんです。
ご主人が仕事休みの前の夜など、代わってもらえるときはないですか?
そのような時に眠剤でも使って、ぐっと寝るしかないです。
赤ちゃん時の母親は常に対応できるように、普段から眠りが浅いそうです。
普通に寝ようとしても寝れないものです」

「理性で我慢しているけれど、たががはずれればそうやって殴らずにいられない。
多分ね、落ち着けばすごく後悔して謝ってくるかも。
二度としないと泣かんばかりに言うかも。
でもそれは信じちゃ駄目だと思う。
私なら、、一度でも殴られたら実家に帰りますね、とりあえず。
考える事は山積みでしょうけど、、子供を守る為に離婚を考えると思います。
だってまたいつキレて殴られるかわからない。一度した人間が二度しない保証はない。
父親が母親を殴る家で子供を育てたくない。更に子供も殴るとしたら?
考えただけでゾッとします」

 夫のチョップは暴力であり注意しろというコメントと、少し手抜きをして休む工夫をしてみたらどうか、というコメントだ。うんうんそう思う。というか話し合いが必要じゃないかな? そんな中ひとつだけトピ主レスが書き込まれた。

「これまで約10ヶ月間、夫は週に2度は飲み会に参加し休日も友人と飲みに出かけたり泊まりで結婚式に出かけたりと自由にしていますが、私は近所まで来てくれた友人と2人でランチに行くことも近隣で開催されている昼間の同窓会に参加することも許されない、復職したいと願い出ても主婦でいてくれと拒否される等なんで私ばっかり我慢しているんだという思いが強過ぎたことが夫に当たってしまった大きな原因だと思います。我慢していると思うこと自体母親として最低です。

夫は日中働いているのだから夜寝るのも当然だというご指摘、その通りだと思います。ただ共感してくださっている方がおられた通り、横で寝ていることにどうしても腹が立ってしまうので私の目に入らないところで寝てほしいのです。ただ家がせまいためリビングのソファーぐらいしか他に寝られる場所がなく、夫がそこで寝るのは嫌だということなので互いに仕方なく一緒の部屋で寝ている形です。

皆様にお聞きしたかったことは、今回のようなことであれば打たれたのもやむなし自分から夫に当たったことを謝罪して普段通りの関係に戻るのか、夫から謝ってくるまでアクションを起こさないのか、もう婚姻関係は続けられないと離婚を提案するのか上記3つ以外でもどうされるのかお伺いしたいです。

また、今回胸が赤く腫れるほどに打たれたことが自分の中でかなりショックが大きいようで、夫の顔を見ることができていません。このような気持ちも時間が経てばなくなっていくのでしょうか」

 なんとトピ主は働きたいのに夫から家にいてくれといわれ専業主婦を続けているというのだ。それはストレスの溜まり方が尋常じゃないだろう。妻が友達とランチに行くぐらいいいじゃないか、おい夫、お前が子供を見とけよ、って思うが、どうもかなり夫の育児スキルは低そうだ。つ〜か、夫はチョップしたことを謝ってないわけ!? 信じられないな。地獄行きだよほんとに。

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ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

twitter:@watcherkyoko

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