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名古屋空港から名鉄小牧線・味美駅まで歩いてみたら、案外ラクだった【空港から最寄り駅まで歩いてみた】第1回

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県営名古屋空港から、名鉄・味美駅まで歩いてみる

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フジドリームエアラインズのカウンター。

 県営名古屋空港のターミナルビルから滑走路を挟んですぐ東側に、名鉄小牧線が走っている。ターミナルが滑走路の東側にあれば、鉄道によるアクセスが主流であったであろうことは、容易に推察できる。

 直線距離で最も近いのは、この名鉄小牧線の春日井駅だが、滑走路を迂回すると、同線・味美(あじよし)駅が最寄りの駅となる。そこで今回は、県営名古屋空港ターミナルビルから、味美駅までの約3キロを歩いてみることとした。

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県営名古屋空港のターミナルビル。

 空港のターミナルビルを出て南進すると、しばらくは航空機やヘリコプターの格納庫らしき建物が左手に並ぶ。その先へ進むとすぐに現れるのが、「エアポートウォーク名古屋」という巨大な建物だ。ブランドショップやレストラン街、シネコンなどが集積したショッピングモールで、当日は休日だったこともあって、大変なにぎわいだった。

 店内はショッピングモールらしく、天井が高くて開放的な造りだが、外観はどこか無機質な雰囲気。シネコンへの連絡口はボーディングブリッジ(可動式搭乗通路)のような設計にもなっており、空港至近の商業施設らしさを演出している。

 調べてみるとこの建物は、1999年4月に開業した名古屋空港・国際線ターミナルビルだった。当時、国際線の容量が逼迫していて、ターミナルを新設せざるを得ない状況だったものの、すでにセントレアの開港が決まっていたため、再活用を前提とした設計で作られたのだという。

 スペースや駐車場の広さ、バリアフリーに対応したフラットな床面など、確かに空港とショッピングモールの建物には親和性が極めて高い。飛行機の発着がもたらす轟音も、館内にいる限りはそれほど気にならなかった。

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巨大な駐車場を完備する「エアポートウォーク名古屋」。

 さて、しばらく南下後、愛知県道62号線というやや広めの郊外道路を東進する。滑走路の先端付近に「エアフロントオアシス」という小規模な公園がある以外は、住宅と商店と小規模な工場が雑多に建ち並ぶ、一般的な地方都市の郊外といった風景が続く。

 昭和自動車学校という自動車教習所と名鉄小牧線の踏切が見える「味美上ノ町」の信号を右折し、再び南下すると、すぐに目的の名鉄小牧線・味美駅へと到着する。エアポートウォークをしばらく見物していたので1時間30分以上かかったが、正味の所要時間は40分くらいだろう。

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県営名古屋空港から徒歩約3キロの、名鉄小牧線・味美駅。

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上飯田駅~犬山駅間を結ぶ名鉄小牧線。

 実は、名鉄小牧線が旧名古屋空港に乗り入れる計画はかつて存在した。1992年1月に旧運輸省の運輸政策審議会が答申した「名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」では、味美~名古屋空港間が「2008年までに整備の推進を図ることが適当である路線」とされている。

 1960年に旧名古屋空港が開港して以来、距離としてはわずか3キロ程度のこの路線が現在に至るまで開通しなかった理由は、名鉄小牧線の利便性の悪さも原因にある。名鉄小牧線は、他の鉄道路線との接続駅が最北端の犬山駅のみという、行き止まり路線(いわゆる「盲腸線」)の時代が長かったのだ。

 名古屋市街方面へは、起点の上飯田駅からバスを利用するか、地下鉄名城線平安通駅まで10分以上歩くという乗り換えの不便さがあった。上飯田駅~平安通駅間に地下鉄上飯田線が開通し、小牧線との直通運転が始まったのは、2003年3月である。

 この時、2005年2月のセントレア開港まですでに2年を切っており、それまでほどの利用者は見込めないことから、名古屋空港への新線の建設は現実的なものではなくなっていた。さらに名古屋駅から味美駅までは乗り換えが2回必要。高速道路の開通で名古屋駅からのバスによる所要時間も短縮している……ということで、残念ながら今後も建設される可能性はないと考えてよいだろう。

 それはさておき、県営名古屋空港から名鉄小牧線・味美駅まで歩いてみるのは、思いのほかラクだった。30度を上回る炎天下だったが、3キロ程度の道のりはバテるほどの距離ではない。いざという時には道中にコンビニなどがあるし、自慢したり感心されたりするほどのハードさはなかったというのが率直なところだ。

 ただ、バス代の節約のためにわざわざ歩こうとは考えない長さであるのは間違いない。さらに味美駅から名古屋市街方面への接続の悪さが、このルートの利用をためらわせる。歩くなら趣味か、災害時など万が一の場合に限られるだろう。

(文/渡瀬基樹)

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