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杉田水脈のLGBT差別を「炎上狙いのトンデモ発言」でスルーできない背景。自民党が掲げる戦前回帰の思想

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杉田水脈公式サイトより

 自由民主党の杉田水脈衆議院議員が「新潮45」(新潮社)20188月号に寄稿した「「LGBT」支援の度が過ぎる」というタイトルのコラムのなかで、「子供をつくらないLGBTには『生産性』がないので、行政が支援する必要はない」といった論旨の主張を行った問題が波紋をいっそう広げている。

 杉田水脈議員の問題発言に対し、性的マイノリティを支援する団体であるLGBT法連合会(性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連連合会)が声明を発表。<性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者に対して侮辱的・屈辱的とも取れる内容であり、このような主張は許容することができない。当会は、本件論文の性的指向および性自認等により困難を抱えている当事者の権利を侵害するこれらの主張について強い遺憾の意を表明する>と抗議した。

 東京レインボープライドも公式ツイッターアカウントでLGBT法連合会の声明を支持し、共に抗議する態度を表明。727日には「0727杉田水脈の議員辞職を求める自民党本部前抗議」というデモも行われる予定で、抗議の声が次々と広がっている。

 Wezzyでも杉田議員の発言を連日記事で取り上げ、その問題点について指摘し続けてきた。「新潮45」に<子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり「生産性」がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか>と綴った杉田議員の考えは、根強い差別感情を根っこにした、ナチス・ドイツや相模原障がい者殺傷事件にもつながる優生思想であり、議員バッジをつけている人間の発言として、到底許容できるものではない。

 以上のことはWezzyでも取り上げ続けてきたし、他のメディアでも多く指摘されていることである。ただ、もうひとつ指摘されるべきことは、杉田議員の差別的な考えがどこにつながっているのかということである。

 その答えは「「LGBT」支援の度が過ぎる」の最後の文章にある。杉田議員はこのような言葉で原稿を締めくくっている。

<「常識」や「普通であること」を見失っていく社会は「秩序」がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません>

 ここで出てくる「普通」という言葉。自分の頭のなかにある価値観の尺度をもち出して他人の人生を推し量り、「普通」と「普通でない」に断定する暴力性については言うまでもないが、では、杉田議員の言う「普通」とは何を指しているのか?

杉田水脈はLGBT差別のみならず、女性差別発言も繰り返してきた

 杉田議員は「新潮4520186月号にも「「道徳」を教育して何が悪い?」という文章を寄稿しているのだが、そこで彼女はこのように綴っている。

<いま日本は「ふつう」を規定することをすごく恐れる社会になっています。家族というものは、お父さんとお母さんがいて、子どもたちがいる。それを「ふつう」の家族だと言うと、親がいない家庭もある。LGBTの人たちもいるのだから“差別”になるという。「ふつう」を規定せずに、例外の方をスタンダードにしているから混乱状態になるのです>

 杉田議員は、LGBT差別はもとより、ことあるごとに<男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想>といった発言を繰り返すことで、「女性差別」発言を繰り返してきた女性議員である。

 たとえば、20141031日の衆議院本会議では、このように語っている(当時は次世代の党所属)。

<本来日本は、男女の役割分担をきちんとした上で、女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国です。女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名の基、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です。女性にしか子供を産むことはできない。こんな当たり前のことに目を背けた政策を続けた結果、男性ばかりか当の女性までが、女性にしか子どもが産めないことをネガティブにとらえる社会になってしまいました。その結果、ドメスティックバイオレンスが蔓延し、離婚が増加。少子化や子どもの貧困の原因となっています。次世代の党は、この男女平等参画基本法という悪法を廃止し、それに係る役職、部署を全廃することが女性が輝く日本を取り戻す第一歩だと考えます>(2014116日付ウェブサイト「BLOGOS」記事より)

 この後、2017年に杉田議員は自民党から出馬することになるが、その背景には安倍首相からの絶賛があったと言われており、これは杉田議員だけがもっている特有の考えというわけではない。事実、今回の批判を受けても、自民党からの処分や注意喚起などが行われたとの発表はなく、それどころか、杉田議員はこんなことまでツイートしている(現在は削除済み)。

<自民党に入って良かったなぁと思うこと。

「ネットで叩かれてるけど、大丈夫?」とか「間違ったこと言ってないんだから、胸張ってればいいよ」とか「杉田さんはそのままでいいからね」とか、大臣クラスの方を始め、先輩方が声をかけてくださること。>

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